Linux Mint を Timeshift を使って “まっさら”なディスクに復元する

Linux Mint (Cinnamon) 活用ノウハウ
バックアップツール Timeshift(タイムシフト)の使い方
バックアップから 完全に空のディスクに復元する方法
 
稼働中の Linux Mint が、ディスクの損壊等で起動出来なくなっても、バックアップ(スナップショット)があれば別のディスクに復元できる。が、ターゲットディスクが完全に空の状態の場合、パーティションとファイルシステムを作る必要がある。
 
これで、パーティションが作成済みとなったので、Timeshift の復元先が選択可能となる
 
以下、Linux Mint を “まっさら”な 新しいディスクに復元した記録。
 
 

 

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1. 別ディスクへの復元方法
 
Timeshift を使った「Live USB からの緊急復旧(別ディスクへの復元)」は、正しい手順を知っていれば簡単です。
 
状況復元可能か必要条件
ターゲットがまっさら
(未パーティション)
❌ 不可まずパーティションと
ファイルシステムを作る必要あり
パーティションを作成済み
(ext4 など)
✅ 可そのパーティションを
 Timeshift の復元先として選択可能
元の Mint が
壊れて起動しない
✅ 可Live USB から
 Timeshift を起動して復元可能
ターゲットが “まっさら”(未パーティション)なディスクに復元するには、まず、パーティションとファイルシステムを「作成済み」にする必要がある。
 
パーティションの作成は「Live 環境」で実行可能で、復元作業と同時に行うことが出来るので、他のシステムでパーティションを作る必要はない。
以下に、この手順を示す。
 
「Live 環境」での機器接続構成。
「Live 環境」での機器接続構成
 
スナップショットが保存されているバックアップ用のSSDは、「Live 環境」に入ってからの接続でよい。
 
Linux Mint の ライブUSB から起動する。
Linux Mint の ライブUSB から起動する
 
「Start Linux Mint 22.1 Cinnamon 64-bit」を選択する。
「Start Linux Mint 22.1 Cinnamon 64-bit」を選択する
 
「Live 環境」になる。
「Live 環境」になる
 
 
 
2. パーティションとファイルシステムの作成
 
スタートメニューをクリックし、「Accessories」カテゴリから「Disks」を選択する。
スタートメニューをクリックし、「Accessories」カテゴリから「Disks」を選択する
 
「Disks」アプリが起動したら、新品のSSDを選択する。
「Disks」アプリが起動したら、新品のSSDを選択する
 
“まっさら”なディスクの場合、「✚」のパーティション作成アイコンが表示されない。まず、右上の「ドライブのオプション」をクリックして「Format Disk = ディスクを初期化」を選択する。
 
「Format Disk」ダイアログボックスが表示されるので、「Partitioning」にパーティションタイプに「GPT」を設定し、「Format」をクリックする。
「Format Disk」ダイアログボックスが表示されるので、「Partitioning」にパーティションタイプ「GPT」を設定し、「Format」をクリックする
 
確認画面が表示されるので、「Format」をクリックする。
確認画面が表示されるので、「Format」をクリックする
 
「Format Disk = ディスクを初期化」が終わると、「✚」のパーティション作成アイコンが表示さるようになる。
「Format Disk = ディスクを初期化」が終わると、「✚」のパーティション作成アイコンが表示さるようになる
 
 
①. /boot/efi 用のパーティションを作成
 
パーティションサイズに 500MB(自由) を設定し、「Next」をクリックする。
パーティションサイズに 500MB を設定し、「Next」をクリックする
 
パーティションタイプに「FAT」を選択し、「Create」をクリックする。
パーティションタイプに「FAT」を選択し、「Create」をクリックする
 
 
②. /(root) 用のパーティションを作成
 
続いて、「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする。
続いて、「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする
 
パーティションサイズに 240GB(自由) を設定し、「Next」をクリックする。
パーティションサイズに 240GB を設定し、「Next」をクリックする
 
パーティションタイプに「ext4」を選択し、「Create」をクリックする。
パーティションタイプに「ext4」を選択し、「Create」をクリックする。
 
 
これで、パーティションが「作成済み」になったので、Timeshift での「復元先」が選択可能となる。
これで、パーティションが作成済みとなったので、Timeshift の復元先が選択可能となる
 
 
 
3. EFI パーティションにフラグを設定
 
 🧰 EFI パーティションには「前提条件」がある:
EFI System Partition(ESP)は、UEFI ブート用の特別なパーティションで、
🔹 UEFI モードで動作する PC であること。
🔹 GPT 形式のディスク(MBR ではなく GPT)であること。
🔹 サイズ:100〜550MB 程度(一般的には 300MB)
🔹 ファイルシステム:FAT32(vfat)であること。
🔸 フラグ:boot, esp がセットされていること。 ← 📌 ここが重要
という条件がある。
 
「EFI」パーティションを指定した状態で、「⚙️:パーティションのその他のオプション」アイコンをクリックし、「Edit Partition」を選択する。
「EFI」パーティションを指定した状態で、「⚙️:パーティションのその他のオプション」アイコンをクリックし、「Edit Partition」を選択する
 
「Edit Partition」ダイアログボックスが表示されるので、「Type」のプルダウンアイコンをクリックする。
「Edit Partition」ダイアログボックスが表示されるので、「Type」のプルダウンアイコンをクリックする
 
プルダウンメニューの中から、上の方にある「EFI System」を選択するする。
プルダウンメニューの中から「EFI System」を選択するする
 
「EFI System」を選択しても、「Flags」の欄には必要なフラグの表示が無いので、このまま「Change」をクリックする。
「EFI System」を選択しても、「Flags」の表示に変化が無いので、「Change」をクリックする
 
 
 Linux Mint(=Ubuntu 系)に標準搭載されている GNOME Disks(ディスク) は、バージョンやバックエンド(udisks2)の仕様により、「Type」で EFI System Partition を選んでも、GUI 上で boot / esp フラグが表示・設定できない場合があります。
 
 
✅ 対策:GParted を使ってフラグを設定する(最も確実)
 → GParted は Linux Mint の「Live 環境」に標準で入っている。
 
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「GParted」を選択する。
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「GParted」を選択する
 
「GParted」が起動したら、「EFI」パーティションを指定した状態で、右クリックして「Manage Flags」を選択する。
「GParted」が起動したら、「EFI」パーティションを指定した状態で右クリックして「Manage Flags」を選択する
 
「Flags」一覧には、✅ boot と ✅ esp が既に選択されており、問題なし
「Flags」一覧には、✅ boot と ✅ esp が既に選択されているので、「Close」する。
 
「GParted」を終了する。
 
 
 
4. Live環境で Timeshift を使って復元
 
スナップショットが保存されているSSDをUSBに接続し、マウントする。
スナップショットが保存されているSSDをUSBに接続し、マウントする
 
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「Timeshift」を選択する。
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「Timeshift」を選択する
 
「セットアップウィザード」の「Select Snapshot Tyoe」が表示されるので、「Next」をクリックする。
「セットアップウィザード」の「Select Snapshot Tyoe」が表示されるので、「Next」をクリックする
 
「Select Snaoshot Location」画面が表示されるので、スナップショットが保存されている場所を指定する。
「Select Snaoshot Location」画面が表示されるので、スナップショットが保存されている場所を指定する
 
「Timeshift」のトップ画面に戻るので、バックアップの「スナップショット」を選択して「Restore」をクリックする。
「Timeshift」のトップ画面に戻るので、バックアップの「スナップショット」を選択して「Restore」をクリックする
 
「Select Target Device」画面が表示されるので、それぞれに作成したパーティションを指定する。
「Select Target Device」画面が表示されるので、復元対象ディスクを指定する
 
復元が始まるので、画面の指示に従う。
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元処理が終わったら、「Timeshift」を閉じる。
復元処理が終わったら、「Timeshift」を閉じる
 
 
 
5. 復元完了後 ブートローダー(GRUB)を修復する(重要)
 
Live環境では GRUB が新しいディスクに自動でインストールされない。
そのため、以下の手順で GRUB を修復する必要がある。
 
🟢 Linux Mint のディスクをマウント
 
「Disks」アプリを起動し、復元したディスクのパーティションを確認する。
 
/(root) 用のパーティション /dev/sda2 → Not Mounted
/(root) 用のパーティション /dev/sda2 → Not Mounted
 
/boot/efi 用のパーティション /dev/sda1 → Not Mounted
/boot/efi 用のパーティション /dev/sda1 → Not Mounted
 
端末を起動し、次のコマンドを実行する。
sudo mount /dev/sda2 /mnt # Linux Mintのルート
sudo mount /dev/sda1 /mnt/boot/efi # EFIパーティション(ESP)
 
Linux Mint のディスクをマウント
 
/(root) 用のパーティション /dev/sda2 → Mounted at /mnt
/(root) 用のパーティション /dev/sda2 → Mounted at /mnt
 
/boot/efi 用のパーティション /dev/sda1 → Mounted at /mnt/boot/efi
/boot/efi 用のパーティション /dev/sda1 → Mounted at /mnt/boot/efi
 
🟢 chroot 「/mnt」環境を準備
sudo mount --bind /dev /mnt/dev
sudo mount --bind /proc /mnt/proc
sudo mount --bind /sys /mnt/sys
 
🎯 chroot とは
UNIX系のOSで、あるプロセスに対して、ファイルシステムのルートディレクトリを一時的に別のディレクトリに変更する仕組みです。
 
🟢 chroot で「/mnt」環境に入る
sudo chroot /mnt
 
chroot で環境に入る
 
これで、実際に Mint のシステム環境内に「ログイン」した状態になります。
 
🟢 GRUB を再インストール
 
UEFI システムなら以下を実行:
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=linuxmint
 
GRUB を再インストール
 
💡 --bootloader-id= は UEFI ブートエントリ名。
(ubuntu や mint でも構いません。複数 Mint がある場合は区別用に)
 
🟢 設定ファイルを再生成
update-grub
 
設定ファイルを再生成
 
これで、Mint を検出して GRUB メニューが再構築される。
 
🟢 chroot を抜けて再起動
exit
sudo umount -R /mnt
sudo reboot
 
chroot を抜けて再起動
 
✅ USB を外します。
USB を外します
 
 → 正常に起動すれば、復元成功です。
正常に起動すれば、復元成功です
 
“まっさら” なディスクに、完璧に復元される。
“まっさら”なディスクに、完璧に復元される
 

 

以上。
(2025.10.29)

 

 

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