Linux Mint に balenaEtcher を インストールして ライブ USB を作る

Linux Mint (Cinnamon) 活用ノウハウ
balenaEtcher の インストール方法の種類 と 手順
Live USB(ライブUSB) の作り方
 
Linux Mint に balenaEtcher を インストールするには、いくつかの方法がある。それぞれの方法には、難易度に加え、特徴や利点それに注意点がある。
 
イメージファイルの書き込み処理が開始される
 
以下、主要な方法(4種類)を実際に実行し、「Zorin OS のライブUSB」の作成までをチェックした結果を記録。
 
 

 

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1. Linux Mint で使える ライブUSB(Live USB) 作成ツール
 
 

 「ライブUSB(Live USB)」
 ライブUSBとは、OS(オペレーティングシステム)を起動できる状態にしたUSBメモリのことです。
ライブUSBを使えば、パソコンの既存のOS(Windowsなど)やデータに影響を与えずに、別のOS(主にLinux)を試用することが出来ます。

 
 

 「USBインストールメディア」 にもなっている ライブUSB
 Linuxの場合、USBから起動したOS(ライブ環境)をそのまま試用し、問題がなければデスクトップ上にある「インストール」アイコンをクリックして、本格的なインストール作業を進めることが出来る「インストールメディア」にもなっています。

 
Linux Mint で使える Live USB 作成ツール。
🥇 最もおすすめ:Ventoy
🥈 シンプルで安定:balenaEtcher
🥉 Mint標準ツール:USB イメージライタ
 
🥇 Ventoy:
Ventoy を USB に一度インストールすれば、その USB に複数の ISO をコピーするだけで起動できるため、複数のディストロを試したい人に超おすすめ。
 
🥈 balenaEtcher:
Balena Etcherは、OSイメージ(ISO、IMG、ZIPなど)をUSBメモリやSDカードに書き込み、起動可能なメディア(ブータブルメディア)を作成するための無料かつオープンソースのクロスプラットフォームツールです。シンプルで安全な書き込みプロセスが特徴で、様々なOSイメージの書き込みによく利用されます。
 
💡 結論:Linux Mintで使うなら
🔹 汎用性重視・複数ISO対応 → Ventoy
🔸 初心者向け・確実な書き込み → balenaEtcher
🔹 Mint標準で手軽に → USB イメージライタ
 
 
 
2. balenaEtcher の インストール方法
 
🟩 主要な方法(5種類)
 • 方法①:AppImage 版(最も簡単)
 • 方法②:.deb パッケージからインストール
 • 方法③:APT リポジトリを追加(自動アップデート対応)
 • 方法④:Flatpak 版(Mint では正式対応?)
 • 方法⑤:Snap 版(Mintでは Snap サポートが無効化 されている)
 
✅ 方法-1:balenaEtcher の AppImage版 を使って実行する
メリット:依存関係を一切気にせずに動く独立型アプリです。
デメリット:最新のGitHubには .AppImage ファイルが公開されていない。
 
AppImage版とは:
Linuxでアプリケーションを配布するための形式で、アプリケーションに必要な依存関係がすべて一つのファイルにバンドルされてた「単一のファイル」として提供される。このため、個別にインストールする必要がなく、ファイルをダウンロードするだけでそのまま実行できる。
 
✅ 方法-2:balenaEtcher の 公式 .deb をダウンロードして手動でインストールする
メリット:リポジトリは不要で、依存関係も自動解決される。
デメリット:APT連携はしない(自動更新なし)。
 
✅ 方法-3:balenaEtcher を リポジトリと鍵を登録してインストールする
メリット:この方法なら自動アップデートも受け取れる。
デメリット:依存関係エラーでインストール不可。
 
✅ 方法-4:balenaEtcher の Flatpak版をインストールする
メリット:Mint 公式で Flatpak 対応済みで、自動更新される。
デメリット:Flathub上には公開されていない。
 
Flatpak(フラットパック)版とは:
Linux向けのアプリケーションパッケージ形式で、OSから独立したサンドボックス(隔離された環境)内でアプリケーションを実行できるパッケージングシステム。「Flathub」リポジトリで多くのアプリケーションが公開されている。
 
 
 
3. 方法-1:balenaEtcher の AppImage版 実行結果
 
🟩 AppImage版を使う。
 
メリット:依存関係を一切気にせずに動く独立型アプリ。
デメリット:最新のGitHubには .AppImage ファイルが公開されていない。
 
balenaEtcher の公式リリース(v2.1.4 など)では、GitHub の “Assets” に .AppImage ファイルが含まれていない。(公式には存在していない/公開されていない)
 
そこで、過去バージョンの AppImage を探したところ、次の ミラーURL で見つかる。
https://sourceforge.net/projects/etcher.mirror/files/v1.19.25/balenaEtcher-1.19.25-x64.AppImage/download
 
🔧 手順
cd ~/ダウンロード

wget https://sourceforge.net/projects/etcher.mirror/files/v1.19.25/balenaEtcher-1.19.25-x64.AppImage

chmod +x balenaEetcher-.1.19.25-x64.AppImage

./balenaEtcher-1.19.25-x64.AppImage
これだけで起動出来る。
 
✅ メニューへの登録。
🔹 保存先を(~/.local/share/applications)にしている。
ここに保存すると、メニューに反映されるので、メニューから起動できるようにした後、メニューを右クリックして「デスクトップに追加」することが出来る。
# .desktop ファイルの作成
sudo nano ~/.local/share/applications/balena-etcher.desktop

# .desktop ファイルの内容
[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Name=balenaEtcher
Comment=USB/SD card image writer
Exec=/home/hp-mint/ダウンロード/balenaEtcher-1.19.25-x64.AppImage
Icon=/home/hp-mint/ダウンロード/Etcher-icon.png
Terminal=false
Categories=Utility;DiskUtility;
StartupNotify=true

# 実行権限の付与
sudo chmod +x ~/.local/share/applications/balena-etcher.desktop
 
✨ ポイント
 • Exec= は AppImage の絶対パスを記載(スペース等があれば適宜クォート)
 • Icon= はアイコン画像の絶対パス/相対パス。
 • Categories= はメニュー内での分類(なくても動作します)
 
📌 「balenaEtcher-1.19.25-x64.AppImage」を起動し、書き込む【.iso】ファイルを選択した時点で、
Error openinng source
Error(0,h.requestMetadata) is not a function
と、エラーが表示され書き込めない。
Error(0,h.requestMetadata) is not a function
と、エラーが表示され書き込めない
 
「It work ! with the AppImage 1.18.12 or AppImage 1.18.11 !」
との情報があり、
「/v1.18.11/balenaEtcher-1.18.11-x64.AppImage」をダウンロードして実行すると、OKになる。
wget https://github.com/balena-io/etcher/releases/download/v1.18.11/balenaEtcher-1.18.11-x64.AppImage

chmod +x balenaEtcher-1.18.11-x64.AppImage

./balenaEtcher-1.18.11-x64.AppImage
 
 
 
4. 方法-2:balenaEtcher の .deb でインストールした結果
 
🟩 GitHub の Releases から最新の .deb をダウンロードし、apt 経由でインストール(依存も自動解決)する方法(リポジトリ不要)。
 
メリット:リポジトリは不要で、依存関係も自動解決される。
デメリット:「満たせない依存関係がある」というエラーが発生するケースがある。
 → その場合は、'apt --fix-broken install' でインストールする。
 
🔧 手順
# .deb をダウンロードする
# 最新バージョンのファイル名は Releases を確認してください

wget https://github.com/balena-io/etcher/releases/download/v2.1.4/balena-etcher_2.1.4_amd64.deb

# apt 経由でインストールする
sudo apt install  ~/balena-etcher_2.1.4_amd64.deb

# この時点でメニューに追加される。

# 依存関係の修復を行う
sudo apt -f install
以上で、インストールは完了。
 
⚡ もし依存関係のエラーが発生したら、 'apt --fix-broken install' を実行する。
# エラーが発生事例
$ sudo apt install  ~/balena-etcher_2.1.4_amd64.deb 
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了        
状態情報を読み取っています... 完了        
これらを直すためには 'apt --fix-broken install' を実行する必要があるかもしれません。
以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
 balena-etcher : 依存: libgdk-pixbuf2.0-0 しかし、インストールされていません
E: 未解決の依存関係です。'apt --fix-broken install' を実行してみてください (または解法を明示してください)。

# 依存関係の問題が出たので 'apt --fix-broken install' を実行
sudo apt --fix-broken install  ~/balena-etcher_2.1.4_amd64.deb 
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了        
状態情報を読み取っています... 完了        
依存関係を解決しています ... 完了
注意、'/home/hp-mint/balena-etcher_2.1.4_amd64.deb' の代わりに 'balena-etcher' を選択します
balena-etcher はすでに最新バージョン (2.1.4) です。
以下の追加パッケージがインストールされます:
  libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0 libgdk-pixbuf2.0-0
以下のパッケージが新たにインストールされます:
  libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0 libgdk-pixbuf2.0-0
アップグレード: 0 個、新規インストール: 2 個、削除: 0 個、保留: 0 個。
1 個のパッケージが完全にインストールまたは削除されていません。
44.8 kB のアーカイブを取得する必要があります。
この操作後に追加で 106 kB のディスク容量が消費されます。
続行しますか? [Y/n] y
取得:1 http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu noble/universe amd64 libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0 amd64 2.40.2-3build2 [42.3 kB]
取得:2 http://ftp.riken.jp/Linux/ubuntu noble/universe amd64 libgdk-pixbuf2.0-0 amd64 2.40.2-3build2 [2,454 B]
44.8 kB を 0秒 で取得しました (138 kB/s)       
以前に未選択のパッケージ libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0:amd64 を選択しています。
(データベースを読み込んでいます ... 現在 650280 個のファイルとディレクトリがイン
ストールされています。)
.../libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0_2.40.2-3build2_amd64.deb を展開する準備をしています
 ...
libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0:amd64 (2.40.2-3build2) を展開しています...
以前に未選択のパッケージ libgdk-pixbuf2.0-0:amd64 を選択しています。
.../libgdk-pixbuf2.0-0_2.40.2-3build2_amd64.deb を展開する準備をしています ...
libgdk-pixbuf2.0-0:amd64 (2.40.2-3build2) を展開しています...
libgdk-pixbuf-xlib-2.0-0:amd64 (2.40.2-3build2) を設定しています ...
libgdk-pixbuf2.0-0:amd64 (2.40.2-3build2) を設定しています ...
balena-etcher (2.1.4) を設定しています ...
chmod: '/opt/balenaEtcher/chrome-sandbox' にアクセスできません: そのようなファイ
ルやディレクトリはありません
libc-bin (2.39-0ubuntu8.6) のトリガを処理しています ...
 
 
 
5. 方法-3:balenaEtcher を リポジトリ登録でインストールした結果
 
🟩 balenaEtcher を リポジトリと鍵を登録して、APTリポジトリから直接インストールする方法。
 
メリット:この方法なら自動アップデートも受け取れる。
デメリット:依存関係の古いライブラリが要求され、インストール出来ない。
 
🔧 手順
# curl が入っているか確認(なければインストール)
sudo apt update
sudo apt install -y curl gpg

# balenaEtcher 公式GPG鍵を登録
sudo mkdir -p /etc/apt/keyrings
curl -fsSL https://dl.cloudsmith.io/public/balena/etcher/gpg.key \
  | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/balena-etcher.gpg

# リポジトリ定義をを登録
#(Mint 22.1 → Ubuntu 24.04 (Noble) ベースなので、以下の内容 ”ubuntu” で登録。)

echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/balena-etcher.gpg] \
https://dl.cloudsmith.io/public/balena/etcher/deb/ubuntu noble main" \
| sudo tee /etc/apt/sources.list.d/balena-etcher.list

# パッケージリストを更新
sudo apt update
sudo apt upgrade

# ターミナルからインストール
sudo apt install balena-etcher
 
エラー「E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。」が出て、インストール出来ない。
エラー「E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。」が出て、インストール出来ない
 
このエラーは Linux Mint 22.1(Ubuntu 24.04ベース) ではほぼ確実に出る既知の問題です。
 
❗ エラーの原因
balenaEtcher の Debian パッケージ (.deb) は、まだ 古い Ubuntu / Debian 用にビルド されており、依存関係として古いライブラリを要求しています。
 
しかし:
Ubuntu 22.04 以降(=Mint 21 以降)では GConf は完全に削除済み。 よって、これらのパッケージはリポジトリに存在せず、依存関係エラーになります。
 
 
 
6. 方法-4:balenaEtcher の Flatpak版 インストール結果
 
🟩 Mint 公式で Flatpak 対応済み、自動更新される、AppImage より安全(サンドボックス実行)との触れ込みだが、 balenaEtcher(以下 “Etcher”)の Flatpak バージョンが Flathub リポジトリに存在しない
 
🔧 手順
# 1. Flatpak が有効でない場合はインストール
sudo apt install flatpak -y

# 2. Flathub を有効化(初回のみ)
sudo flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

# 3. balenaEtcher のインストール
flatpak install flathub io.balena.Etcher -y

# 次のエラーが出て、インストール不可。
Looking for matches…
error: Nothing matches io.balena.Etcher in remote flathub

# 4. 起動
flatpak run io.balena.Etcher
 
📌 次のエラーが出て、インストール出来ない。
Looking for matches…
error: Nothing matches io.balena.Etcher in remote flathub
次のエラーが出て、インストール出来ない
 
⚡ 「io.balena.Etcher」という識別子の Flatpak パッケージは、Flathub 上には公開されていない/削除された可能性が高い。
 
 
 
7. balenaEtcher で Zorin OS の ライブUSB を作る
 
🟥 上記、方法-2 の .deb でインストールした balenaEtcher を実行。
 
[メニュー] → [アクセサリ] → [balenaEtcher]で起動する。
[メニュー] → [アクセサリ] → [balenaEtcher]で起動する
 
balenaEtcher の初期画面。
balenaEtcher の初期画面
 
右上の「歯車」アイコンをクリックすると、バージョンが確認できる。バージョン「2.1.4」。
右上の「歯車」アイコンをクリックすると、バージョンが確認できる
 
画面左端にある「Flash from file」ボタンをクリックする。
画面左端にある「Flash from file」ボタンをクリックする
 
書き込むイメージファイルを選択する【Zorin-OS-18-Core-64-bit.iso】。
書き込むイメージファイルを選択する【Zorin-OS-18-Core-64-bit.iso】
 
続いて、画面中央にある「Select target」ボタンをクリックする。
画面中央にある「Select target」ボタンをクリックする
 
イメージファイルの書き込み先ドライブを選択する。
イメージファイルの書き込み先ドライブを選択する
 
準備が整ったら、画面右端にある「Flash!」ボタンをクリックする。
準備が整ったら、画面右端にある「Flash!」ボタンをクリックする
 
認証が求められる。
認証が求められる
 
イメージファイルの書き込み処理が開始される。
イメージファイルの書き込み処理が開始される
 
その後、確認が行われる。
その後、確認が行われる
 
「Flash Complete!」という画面が表示されて、処理完了する。
「Flash Complete!」という画面が表示されて、処理完了する
 
 
作成された ライブUSB から起動した、【Zorin-OS-18-Core】の「Live 環境」。
作成された ライブUSB から起動した、【Zorin-OS-18-Core】の「Live 環境」
 

 

以上。
(2025.11.12)

 

 

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