Linux Mint パーティションエディタ GParted の使い方

低スペック PC 活用ノウハウ
Linux Mint (Cinnamon) の使い方 その-36
GParted の使い方
 
Linux Mint では、ディスクやパーティションを操作するための便利なツールとして GParted(ジーパーティッド) が標準で利用できる。GParted は「パーティションエディタ」と呼ばれるソフトで、ディスクの領域を可視化しながら安全に編集できる強力なツールです。
 
GParted が起動されると、上部に「メニューバー」、中央に「パーティションの一覧」、下部に「操作待ちリスト」が表示される
 
以下、GParted を使った、パーティションの作成・削除・サイズ変更からEFI システムパーティションの作成までを実例で記録。
 
 

 

スポンサー リンク

 

 
 
 
 
 
1. GParted のインストールと起動
 
🟢 ①. インストール
 
Linux Mint には多くの場合 GParted がプリインストールされているが、もし見当たらない場合は「ソフトウェアマネージャー」でインストールする。
 
[メニュー] → [システム管理] → [ソフトウェアマネージャー]を選択する。
[メニュー] → [システム管理] → [ソフトウェアマネージャー]を選択する
 
検索バーに「gparted」と入力して検索すると、「GParted」が表示されるのでこれをクリックする。
検索バーに「gparted」と入力して検索すると、「GParted」が表示されるのでこれをクリックする
 
「インストール」をクリックする。
「インストール」をクリックする
 
追加で必要となるソフトウェアの一覧が表示されるので「続行」する。
追加で必要となるソフトウェアの一覧が表示されるので「続行」する
 
認証が求められる。
認証が求められる
 
インストールが完了すると、「起動」ボタンが表示される。
インストールが完了すると、「起動」ボタンが表示される
 
 
🟢 ②. 起動方法
 
[メニュー] → [システム管理] → [GParted]を選択する。
[メニュー] → [システム管理] → [GParted]を選択する
 
システムのパーティションを扱うため、認証が求められる。
システムのパーティションを扱うため、認証が求められる
 
 
🟢 ③. GParted の基本画面
 
GParted の画面は、上部に「メニューバー」、中央に「パーティションの一覧」、下部に「操作待ちリスト」で構成されている。
GParted が起動されると、上部に「メニューバー」、中央に「パーティションの一覧」、下部に「操作待ちリスト」が表示される
 
🔹 右上のドロップダウン「デバイス選択」で、 /dev/sda や /dev/sdb など、操作対象のディスクを選択する。
 
🔹 「色分けされたバー」では、パーティションの種類や状態が視覚的に確認できる。
 
右上の「デバイス選択」でドロップダウンし、「/dev/sdb」を選択すると・・・。
右上の「デバイス選択」でドロップダウンし、「/dev/sddb」を選択する
 
「/dev/sdb」のパーティションの表示に切り替わる。
「/dev/sddb」のパーティションが表示される
 
左上の「GParted」から「デバイス」を選択しても、デバイスを切り替えることが出来る。
左上の「GParted」から「デバイス」を選択しても、デバイスを切り替えることが出来る
 
パーティション情報にある、
👉 Name は「パーティションの名前」。
👉 ラベル(Label)は、ファイルシステム(ext4、FAT、NTFS など)に付ける「ボリューム名」で、 「ファイルシステムラベル」とも呼ぶ。
 
 
 
2. 「Name」欄が文字化けする原因と背景
 
📌 GParted の画面は【日本語化】されているが、「Name」欄だけが【文字化け】することがある。
GParted の画面は【日本語化】されているが、「Name」欄だけが【文字化け】することがある
 
上記の【文字化け】しているデバイスは、「デュアルブート構成」のディスクで、【文字化け】しているパーティションは Windows がインストールされている領域となっている。
 
「ディスク」アプリで表示しても、パーティション 4 は【文字化け】している。
「ディスク」アプリで表示してみても、パーティション 4 は【文字化け】している
 
これは、フォントやロケールの問題ではなく、ファイルシステムのラベル(パーティション名)の文字コードの扱いによるもので、「FAT32」や「NTFS」のパーティションが【文字化け】している
 
同様に「/dev/sdb」のディスクも、Windows がインストールされているパーティションが文字化けしている。
同様に「/dev/sdb」のディスクも、Windows がインストールされているパーティションが文字化けしている
 
sudo sgdisk -p /dev/sdb コマンドで「Name」を確認すると、同様に文字化けしている。
sudo sgdisk -p /dev/sdb コマンドで「Name」を確認すると、同様に文字化けしている
 
ちなみに、Linux Mint で作成(インストール)したディスクは、文字化けしていない。
ちなみに、Linux Mint で作成(インストール)したディスクは、文字化けしていない
 
sudo sgdisk -p /dev/sdb コマンドでも、文字化けはしていない。
sudo sgdisk -p /dev/sdb コマンドでも、文字化けはしていない
 
2つのディスクを、Windows の「ディスクの管理」で表示してみると・・・。
2つのディスクを、Windows の「ディスクの管理」で表示してみると・・・
 
「ディスクの管理」では、「Name」は 表示されない!。
 
 💡 PowerShell を管理者として実行し、
diskpart + detail partition で確認してみる。
diskpart
list disk
select disk 1
list partition
select partition 1
detail partition
 
出力の中に Type は表示されるが Name は表示されていない。
出力の中に Type は表示されるが Name は表示されていない
 
 
🔍 主な原因と背景:
 
「Name」は GPTパーティションテーブルに保存されている名前(別名:Partition Name または Partition Label)で、ファイルシステム内の「ボリュームラベル(Volume Label)」とは別物です。
例)NTFS の「ボリュームラベル」は Windows のエクスプローラで見える名前(例:DATA、BACKUP など)GPT の「Name」はより低レベルで、EFIパーティションなどに設定される内部識別名です。
 
ファイルシステムラベル文字コードの扱い Linux で文字化けしやすい理由
FAT / FAT32 / exFAT OEM文字コード(例:Shift_JIS) Windows で日本語名を付けると SJIS で保存される
NTFS Unicode だが、一部環境で
 UTF-16 → UTF-8 の変換不完全
 まれに文字化け
ext4 / btrfs UTF-8 Linux では基本的に問題なし
 
🧠 GParted 1.5.0 の仕様
GParted は libparted + 外部ツール(e2label, ntfslabel, fatlabel など) を利用してラベルを取得。
これらのツールは OS のロケール設定ではなく、ファイルシステム固有の文字コードをそのまま返すため、UTF-8 でない文字列が返されると GTK 側で「?」「□」「破損文字」として表示される。
 
 
🔔 「Name」欄は文字化けするが、「ラベル」欄は文字化けしない理由。
項目保存場所文字コード読み書きする仕組み文字化けの有無
Name
(GPT パーティション名)
GPT パーティションテーブル
(ディスクの構造情報そのもの)
UTF-16LE(固定)OS・ツールが独自に解釈🔥
文字化けしやすい
ラベル
(ファイルシステムラベル)
各パーティションの内部
(ファイルシステムの中)
ファイルシステムごとの文字コード
(例:UTF-8)
OSが自動的に正しいエンコードで読み書き
文字化けしにくい
 
 
 
3. 「Name」欄の文字化けを修正する方法
 
🔎 「Name」にセットする名称を何にするか?。
 
fdisk コマンドで、ディスクパーティションを表示する。
(-l:指定したデバイスのパーティションテーブルを一覧表示する。)
fdisk コマンドで、ディスクパーティションを表示する
 
fdisk で表示される「タイプ」は、パーティションの用途を示す識別コード(GUIDまたはID) であり、GParted の「Name」とは別の情報だが、やむなくこの名称を転用する。
 
🧠 補足:fdisk では「Name」は表示されない。
GPT パーティション名を確認したい場合は、parted または gdisk を使う。
parted の例
sudo parted /dev/sda print
 
parted でエラーが出る場合、 gdisk / sgdisk(GPT 用ツール)を使って GPT 情報を読み取る。
インストールと実行:
sudo apt install gdisk # 未導入なら
sudo gdisk -l /dev/sdb
# または sgdisk
sudo sgdisk -p /dev/sdb
 
sudo sgdisk -p /dev/sdb 実行例。 → 「Name」は【文字化け】して表示される。
sudo sgdisk -p /dev/sdb コマンドで「Name」を確認すると、同様に文字化けしている
 
 
🔄 「Name」欄の文字化けを修正する方法
 
パーティションを指定して右クリックして、表示されるリストから「Name Partition」を選択する。
パーティションを指定して右クリックして、表示されるリストから「Name Partition」を選択する
 
変更する「パーティション名」に fdisk で得た【タイプ】名をセットして、「OK」をクリックする。
変更する「パーティション名」に fdisk で得た【タイプ】名をセットして、「OK」をクリックする
 
「Name」欄のパーティション名が変更される。
「Name」欄のパーティション名が変更される
 
変更が完了したら、ツールバーの「✓(チェックマーク)」を押して操作を適用する。
変更が完了したら、ツールバーの「✓(チェックマーク)」を押して操作を適用する
 
確認画面が表示されるので、「適用」をクリックする。
確認画面が表示されるので、「適用」をクリックする
 
保留中の操作が適用されたら、「閉じる」をクリックする。
保留中の操作が適用されたら、「閉じる」をクリックする
 
これで、文字化けの修正が【完了】。
これで、文字化けの修正が【完了】
 
 
 
4. パーティションの作成・削除・サイズ変更
 
ツールバーの「表示」タブには、「デバイス情報」と「保留中の操作」のチェックボックスがあり、これらにチェックを入れておくと、パーティションの操作を行うに当たって便利である。
ツールバーの「表示」タブには、「デバイス情報」と「保留中の操作」のチェックボックスがあり、これらにチェックを入れておくと、パーティションの操作を行うに当たって便利である
 
「デバイス情報」にチェックを入れると、サイドバーが現れ「デバイス情報」と「パーティションテーブル」が表示される。
「デバイス情報」にチェックを入れると、サイドバーが現れ「デバイス情報」と「パーティションテーブル」が表示される
 
ツールバーの「パーティション」タブをクリックすると、「パーティション」に関する操作項目がプルダウンメニューで表示される。
ツールバーの「パーティション」タブを右クリックすると、「パーティション」に関する操作項目がプルダウンメニューで表示される
 
「パーティション」を右クリックしても、同じ「パーティション」に関する操作項目がプルダウンメニューで表示される。一番下の「情報」を選択すると・・・。
「パーティション」を右クリックしても、同じ「パーティション」に関する操作項目がプルダウンメニューで表示される。「情報」を選択すると・・・。
 
「パーティション」の詳細情報が確認できるので、削除やサイズ変更の確認に役立つ。
「パーティション」の詳細情報が確認できるので、削除やサイズ変更の確認に役立つ
 
 
🟢 ①. パーティションの削除
 
削除対象のパーティションで右クリックし、 → 「削除」・・・「削除」項目が選択できない。
削除対象のパーティションで右クリックし、 → 「削除」・・・「削除」項目が選択できない
 
削除対象のパーティションが【マウント】されていると「削除」出来ないので、「アンマウント」を選択する。
削除対象のパーティションが【マウント】されていると「削除」出来ないので、「アンマウント」を選択する
 
「アンマウント」されると、「削除」が可能になる。
「アンマウント」されると、「削除」が可能になる
 
「削除」すると、「保留中の操作」に削除操作が表示され、「未割り当て」領域が出来る。
「削除」すると、「保留中の操作」に削除操作が表示され、「未割り当て」領域が出来る
 
同様の操作を行い、「未割り当て」領域を作成する。
同様の操作を行い、「未割り当て」領域を作成する
 
✨※ この時点では、まだ「削除」は実行されていません。
 
 
🟢 ②. パーティションの作成
 
未割り当て領域(「未割り当て」と表示される部分)を右クリックし、 「新規」を選択する。
未割り当て領域(「未割り当て」と表示される部分)を右クリックし、 「新規」を選択する
 
「新規パーティションの作成」ダイアログが表示されるので、 以下を設定する。
「新規パーティションの作成」ダイアログが表示されるので、 以下を設定する
 
項目説明
新しいサイズ 作成するパーティションの容量
(例:512 MB)
ファイルシステム ext4 / FAT32 / NTFS など
 用途に応じて選択
ラベル わかりやすい名前を入力
(例:ESP, Dataなど)
 
「ファイルシステム」のドロップダウンリストには、幾つもの種類が表示される。
「ファイルシステム」のドロップダウンリストには、幾つもの種類が表示される
 
サイズは、スライダーを動かして容量調整ができる。 「追加」をクリックする。
サイズは、スライダーを動かして容量調整ができる。 「追加」をクリックする。
 
「新規パーティション」が作成される。
「新規パーティション」が作成される
 
続けて、残りの未割り当て領域で、「新規」を選択する。
続けて、残りの未割り当て領域で、「新規」を選択する
 
残りの容量をすべて使って、【ext4】のパーティションを作成する。
残りの容量をすべて使って、【ext4】のパーティションを作成する
 
「新規パーティション」が作成される。
「新規パーティション」が作成される
 
✨※ この時点では、まだ「作成」は実行されていません。
 
 
🟢 ③. パーティションのサイズ変更
 
パーティションを右クリックして、 「リサイズ/移動」を選択する。
パーティションを右クリックして、 「リサイズ/移動」を選択する
 
スライダーを動かして容量を調整し、「リサイズ/移動」をクリックする。
スライダーを動かして容量を調整し、「リサイズ/移動」をクリックする
 
元のパーティションが縮小され、空き領域が出来る。
元のパーティションが縮小され、空き領域が出来る
 
これは、他のパーティションを作るために空き領域を確保する際に使える機能です。
 
出来た空き領域に、パーティションを作る。
出来た空き領域に、パーティションを作る
 
「ファイルシステム」に【fat32】を選択する。
「ファイルシステム」に【fat32】を選択する
 
 「追加」をクリックする。
 「追加」をクリックする
 
出来たパーティションを右クリックして、 ・・・「フラグを編集」項目が選択できない。
出来たパーティションを右クリックして、 ・・・「フラグを編集」項目が選択できない
 
この時点では「パーティションの作成」が実行されていないため、「フラグを編集」項目が選択できない。実際にはパーティションが作成されていない。
 
保留されている操作を実行するために、ツールバーの「✓(チェックマーク)」をクリックする。
保留されている操作を実行するために、ツールバーの「✓(チェックマーク)」をクリックする
 
保留中の操作が完了したら、「閉じる」をクリックする。
保留中の操作が完了したら、「閉じる」をクリックする

 
 
 
5. EFI システムパーティション(ESP)の作成方法
 
 🧰 EFI パーティションの作成条件件:
EFI System Partition(ESP)は、UEFI ブート用の特別なパーティションで、
🔹 UEFI モードで動作する PC であること。
🔹 GPT 形式のディスク(MBR ではなく GPT)であること。
🔹 サイズ:100〜550MB 程度(一般的には 300MB)
🔹 ファイルシステム:FAT32(vfat)であること。
🔸 フラグ:boot, esp がセットされていること。 ← 📌 ここが重要
という条件がある。
 
このパーティションにはブートローダー(grubx64.efi や bootmgfw.efi など)が格納される。
 
上記で作成したパーティションを右クリックして、「フラグを編集」を選択する。
上記で作成したパーティションを右クリックして、「フラグを編集」を選択する
 
フラグ一覧が表示されるので、以下の 2 つにチェックを入れる。
  ✅ boot
  ✅ esp
フラグ一覧が表示されるので、以下の 2 つにチェックを入れる。
  • ✅ boot
  • ✅ esp
 
ついでに、「Label File System」を選択し、パーティションにラベル名を付ける。
ついでに、「Label File System」を選択する
 
ラベル名に「EFI」と入力し、「OK」をクリックする。
ラベル名に「EFI」と入力し、「OK」をクリックする
 
 EFI システムパーティション(ESP)が作成される。
 EFI システムパーティション(ESP)が作成される
 
 
 
6. まとめ
 
🔵 GParted は、Live 環境でも使用可能
インストール前の「Live USB」環境でも GParted は使用可能です。
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「GParted」を選択する
 
起動後に 「GParted」を開き、ディスク構成を確認・変更 することで、インストール前にパーティション構成を整えることができます。
 
🔵 基本操作のまとめ。
操作GParted の手順
新しいパーティションを作る未割り当て領域 → 右クリック → 「新規」
パーティションを削除する対象 → 右クリック → 「削除」
EFI システムパーティションを作るFAT32 形式で作成 → 「boot」「esp」フラグを付与
操作を確定チェックマーク(✔)をクリックして適用
 
🚨 注意点
 • GParted は非常に強力なツールです。誤った操作をするとデータが消える恐れがあります。
  操作前に Timeshift や 外部ドライブへのバックアップを強く推奨します。
 • EFI パーティションを削除したり内容を変更したりすると、起動不能になる可能性があります。
 • 複数 OS を入れる場合は、各 OS が共通の ESP を使うように設計されていることを確認しましょう。
 
🧰 便利な活用例
 • デュアルブート環境構築:Windows と Linux を同一ディスクで共存させる際、ESP は共通利用できます。(リストアを行う場合はこの限りではない。)
 • 外付けディスク管理:USB 接続ドライブのフォーマットや再パーティション化にも使えます。
 • バックアップ前のディスク整理:古いパーティションを削除して整理。
 

 

以上。
(2025.11.07)

 

 

スポンサー リンク

 

             

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください