デュアルブートの Linux Mint に スナップショット をリストアする方法

Linux Mint (Cinnamon) 活用ノウハウ
Windows と Linux Mint の デュアルブート環境
Linux Mint への スナップショット の リストア要領
 
デュアルブート構成の Linux Mint に、他の Linux Mint でバックアップしたスナップショットを「リストア」する場合、注意すべき点がある。Target Device の /boot/efi に設定する「EFI システムパーティション」を間違うと、Windows が GRUB(ブートローダ)メニューから消えてしまう。
 
GRUB(ブートローダ)メニューから Windows が消える
 
以下、デュアルブートの Linux Mint に Timeshiftで スナップショット をリストアした記録。
 
 

 

スポンサー リンク

 

 
 
 
 
 
1. デュアルブートのディスク構成とリストアの問題点
 
デュアルブート環境では「GRUB(ブートローダ)メニュー」が表示され、PCの起動時に Windows を起動するか Linux Mint を起動するかを選択できる。
デュアルブート環境では「GRUB(ブートローダ)メニュー」が表示され、起動時に Windows を起動するか Linux Mint を起動するかを選択できる
 
✅ デュアルブート環境におけるディスクの構成。
 
Windows がインストールされているシステムドライブに Linux Mint をインストールしてデュアルブート環境を構築した場合、ディスクの構成は次のようになっている。
Windows がインストールされているHDDに Linux Mint をインストールしてデュアルブート環境を構築した場合、ディスク構成は一般的には次のようになっている
 
デバイス用途(推定)タイプ
/dev/sda1 Windows 回復領域 Windows recovery
/dev/sda2 Windows の EFI システムパーティション(ESP) EFI System
/dev/sda3 Microsoft reserved MSR
/dev/sda4 Windows C: ドライブ Microsoft basic data
/dev/sda5 Linux Mint のルート(/) Linux filesystem
 
✅ リストアにおけるターゲットデバイスの設定。
Timeshift を使って、他の Linux Mint でバックアップしたスナップショットを、デュアルブート環境の Linux Mint にリストアする場合、ターゲットデバイスの設定は次のようになる。
 
パスの「/」には、Linux Mint のルート(/)Linux filesystem である「/dev/sda5」を指定する。 ← 正しい。
パスの「/」には、Linux Mint のルート(/)Linux filesystem である「/dev/sda5」を指定する
 
パスの「/boot/efi」には「指定先がない」為、Windows の EFI システムパーティション(ESP)である「/dev/sda2」を指定してしまう。 ← 間違い。
パスの「/boot/efi」には「指定先がない」為、Windows の EFI システムパーティション(ESP)である「/dev/sda2」を指定してしまう
 
リストアにおけるターゲットデバイスの設定:間違い事例
リストアにおけるターゲットデバイスの設定(間違い事例)
 
📌 問題点:GRUB(ブートローダ)メニューから Windows が消える。
GRUB(ブートローダ)メニューから Windows が消える
 
 
 
2. 原因と解決策
 
✅ 原因:
/boot/efi に、Windows の EFI System パーティションを設定すると、 Linux Mint(=Ubuntuベース)のブートローダが上書きされ、GRUB の設定が書き換えられるため、Windows Boot Manager の登録が失われる。
 
⚡この結果、Linux Mint が常に自動起動されることになる。
 
✅ 解決策:
/boot/efi には Linux Mint 用の ESP を指定する。
 
Linux Mint 専用の EFI システムパーティション(100〜500MB 程度)を別途用意し、これを /boot/efi に設定する。
Linux Mint 専用の EFI システムパーティション(100〜500MB 程度)を別途用意して、/boot/efi にマウントする
 
⚠️ Windows の ESP(通常 /dev/sda2)を共有してはならない!。
 
 
 
3. Linux Mint 用 EFI システムパーティションの作成要領
 
以下の事例は容量が「500GB」しかないSSDを使って、デュアルブート環境を構築した「ディスク」を例にしています。
ディスクの容量に余裕がある場合は、パーティションサイズを適当に調整してください。
 
パーティションの作成には「ディスク」アプリを使用しています。
参考:
 
 
🟢 /dev/sda5 Linux Mint のルート(/)パーティションの削除
 
Linux Mint のルート(/)パーティションを指定して「-」をクリックする。
Linux Mint のルート(/)パーティションを指定して「-」をクリックする
 
「Delete」をクリックする。
「Delete」をクリックする
 
パーティションが削除され、空き領域が出来る。
パーティションが削除され、空き領域が出来る
 
 
🟢 /dev/sda4 Windows C: ドライブ パーティションの縮小(Windows環境)
 
空き領域が少ないので、Windows C: ドライブ のボリュームを縮小する。
空き領域が少ないので、Windows C: ドライブ のボリュームを縮小する
 
縮小可能なサイズが計算される。
縮小可能なサイズが計算される
 
縮小するサイズが表示されるので、「縮小」をクリックする。
縮小するサイズが表示されるので、「縮小」をクリックする
 
空き領域が少し増える。
空き領域が少し増える
 
 
🔵 Linux Mint 用 EFI システムパーティションの作成
 
「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする。
「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする
 
パーティションサイズを設定し、「Next」をクリックする。
パーティションサイズを設定し、「Next」をクリックする
 
パーティションタイプに「FAT」を選択し、「Create」をクリックする。
パーティションタイプに「FAT」を選択し、「Create」をクリックする
 
作成したパーティションを指定して、「⚙️:Additional partition options」アイコンをクリックし、「Edit Partition」を選択する。
作成したパーティションを指定して、「⚙️:Additional partition options」アイコンをクリックし、「Edit Partition」を選択する
 
「Edit Partition」ダイアログボックスが表示されるので、「Type」のプルダウンアイコンをクリックする。
「Edit Partition」ダイアログボックスが表示されるので、「Type」のプルダウンアイコンをクリックする
 
プルダウンメニューの中から、最上部にある「EFI System」を選択する。
プルダウンメニューの中から、最上部にある「EFI System」を選択する
 
「EFI System」が選択されたら「Change」をクリックする。
「EFI System」が選択されたら「Change」をクリックする
 
これで、Linux Mint 専用の EFI システムパーティションが用意できた。
これで、Linux Mint 専用の EFI システムパーティションが用意できた
 
 
🔵 Linux Mint のルート(/)パーティションの作成
 
続いて、「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする。
続いて、「Free Space」を選択して、「✚」のパーティション作成をクリックする
 
パーティションサイズ(残りの全て)を確認し、「Next」をクリックする。
パーティションサイズ(残りの全て)を確認し、「Next」をクリックする
 
パーティションタイプに「ext4」を選択し、「Create」をクリックする。
パーティションタイプに「ext4」を選択し、「Create」をクリックする
 
 
以上で、デュアルブートの Linux Mint に Timeshift で スナップショット をリストアする環境が整う。
以上で、デュアルブートの Linux Mint に Timeshift で スナップショット をリストアする環境が整う
 
 
 
4. デュアルブートディスクへの Linux Mint のリストア
 
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「Timeshift」を選択する。
スタートメニューをクリックし、「Administration」カテゴリから「Timeshift」を選択する
 
「セットアップウィザード」の「Select Snapshot Tyoe」が表示されるので、「Next」をクリックし、「Select Snaoshot Location」画面が表示されたら、スナップショットが保存されている場所を指定する。
「セットアップウィザード」の「Select Snapshot Tyoe」が表示されるので、「Next」をクリックし、「Select Snaoshot Location」画面が表示されたら、スナップショットが保存されている場所を指定する
 
「Timeshift」のトップ画面に戻るので、バックアップの「スナップショット」を選択して「Restore」をクリックする。
「Timeshift」のトップ画面に戻るので、バックアップの「スナップショット」を選択して「Restore」をクリックする
 
「Select Target Device」画面が表示されるので、それぞれに作成したパーティションを指定する。
「Select Target Device」画面が表示されるので、それぞれに作成したパーティションを指定する
 
📌 ポイント:/boot/efi には Linux Mint 用の ESP を指定する。
 
 
復元が始まるので、画面の指示に従う。
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元が始まるので、画面の指示に従う
 
復元処理が終わったら、「Timeshift」を閉じる。
復元処理が終わったら、「Timeshift」を閉じる
 
 
 
5. リストア後の ブートローダー(GRUB)の修復
 
Live環境では GRUB が新しいディスクに自動でインストールされない。
そのため、以下の手順で GRUB を修復する必要がある。
 
🔹 Linux Mint のルートをマウント
sudo mount /dev/sda6 /mnt
 
🔹 Linux Mint 用の EFI パーティションをマウント
sudo mount /dev/sda5 /mnt/boot/efi
 
(⚠️ /dev/sda2 ではなく /dev/sda5 を指定します)
 
🔹 必要なシステムディレクトリをバインド
sudo mount --bind /dev /mnt/dev
sudo mount --bind /dev/pts /mnt/dev/pts
sudo mount --bind /proc /mnt/proc
sudo mount --bind /sys /mnt/sys
 
🔹 chroot に入って GRUB を再インストール
sudo chroot /mnt
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=linuxmint
update-grub
exit
 
🔹 後始末(マウント解除)
sudo umount /mnt/dev/pts
sudo umount /mnt/dev
sudo umount /mnt/proc
sudo umount /mnt/sys
sudo umount /mnt/boot/efi
sudo umount /mnt
sudo reboot
 
 
✅ 稼働確認:GRUB(ブートローダ)メニュー
 
GRUB を修復後、再起動すると GRUB メニューに Ubuntu と表示される。
(Linux Mint も Ubuntu 系なので「Ubuntu」と出ることがよくあるらしい。)
GRUB を修復後再起動すると、GRUB メニューが Ubuntu と表示される
 
その後、再起動を行うとメニューの表示が Linux Mint に戻る。
その後、再起動を行うとメニューの表示が Linux Mint に戻る
 
Linux Mint の起動・・・OK。
“まっさら”なディスクに、完璧に復元される
 
Windows の起動・・・OK。
Windows の起動
 

 

以上。
(2025.11.03)

 

 

スポンサー リンク

 

             

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください