Linux Mint Wine を利用して Windows アプリを実行

低スペック PC 活用ノウハウ
Linux Mint (Cinnamon) の使い方 その-26
Wine の仮想 C:ドライブに Windows アプリを配置する方法
 
🔹Wineとは、「Windows APIを通じて、64bitのUnix系OSにおいてWindowsアプリをネイティブ動作させる」ソフトウェア。
🔹Wineを使用すると「Linux」で「Windows」アプリが実行できる。
🔹Linux Mint には、この Wine を一括でインストールできる wine-installer パッケージが用意されている。
 
初期設定(初回のみ)
 
以下、wine-installer をインストールし、Windowsアプリを稼働させた記録。
 
 

 

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1. Wine のインストール
 
Linux Mint では wine-installer が“まとめ役”の標準パッケージで、ソフトウェアマネージャーからインストールすることもできるが、i386 に関するエラーが出るので、以下の作業は「端末」を起動し、コマンドラインから行う。
 
32bit( i386 )対応を有効化。
sudo dpkg --add-architecture i386
 
32bit( i386 )対応を有効化
 
すでに有効なら何も起きない(そのままでOK)。
 
Wine を一括導入(Mint のメタパッケージ)。
sudo apt update
sudo apt install -y wine-installer
 
Wine を一括導入(Mint のメタパッケージ)
 
バージョンの確認。
wine --version
 
バージョンの確認
 
初期設定(初回のみ)。
winecfg
 
初期設定(初回のみ)
 
「Wine設定」画面が開き、Windowsバージョンやサウンド等が設定できる。
 
※補足:
MESA-INTEL: warning: Haswell Vulkan support is incomplete は、Wine 実行時に Mesa が出す警告で無視してもよい。
 
ここで Wine の “仮想Cドライブ(~/.wine/drive_c/)”が作られる。
ここで Wine の “仮想Cドライブ(~/.wine/drive_c/)”が作られる
 
「ドライブ」タブと「Wine について」タブの内容。
「ドライブ」タブと「Wine について」タブの内容
 
 
 
2. RLogin.exe 単体で動かすタイプの 64bit アプリの配置
 
ターゲットアプリの Rlogin (Windows用SSHクライアント) は、Linux版はなく Windows 専用のため、Wine で利用せざるを得ない。
 
 
①.標準の Wine 環境への配置
 
Wine への配置とは、仮想Cドライブ「~/.wine/drive_c/」の中に .exe ファイルを置くこと。
 
✅ 単体で動かすタイプの 64bit アプリは「Program Files」の中に RLogin を作って、その中にコピーする。
~/.wine/drive_c/Program Files/RLogin/
 
mkdir -p ~/.wine/drive_c/Program\ Files/RLogin
cp ~/ダウンロード/rlogin_x64/RLogin.exe ~/.wine/drive_c/Program\ Files/RLogin/
 
✅ 単体で動かすタイプの 64bit アプリは「Program Files」の中に RLogin を作って、その中にコピーする。
~/.wine/drive_c/Program Files/RLogin/
 
単体で動かすタイプの 64bit アプリは「Program Files」の中に RLogin を作って、その中にコピーする
 
実行。
wine "C:\\Program Files\\RLogin\\RLogin.exe"
 
実行
 
RLogin が起動するも、メニューバーが文字化けている。Server Select 画面の日本語は正しく表示されている。
RLogin が起動するも、メニューバーが文字化けている。Server Select 画面の日本語は正しく表示されている。
 
👉 ターミナル表示用のフォントは正しく動いているが、Wine が Windows の UI 用フォントを見つけられていない という状態。
 
 
②.msgothic フォントのインストール
 
Windows 環境から以下のファイルをコピーする。
C:\Windows\Fonts\msgothic.ttc
 
Linux Mint の ダウンロード フォルダーにコピー。
Linux Mint の ダウンロード フォルダーにコピー
 
meiryo ディレクトリの作成。
sudo mkdir /usr/share/fonts/msgothic
 
フォントの移動。
sudo mv ~/ダウンロード/msgothic.ttc /usr/share/fonts/msgothic
 
フォントのアクセス権限を変更。
sudo chmod 755 /usr/share/fonts/msgothic
 
フォントキャッシュの更新。
sudo fc-cache -f
 
msgothic フォントのインストール
 
再度、起動する。
wine "C:\\Program Files\\RLogin\\RLogin.exe"
 
メニューバーの文字化けが解決する。
メニューバーの文字化けが解決する
 
 
③.メニューへの登録
 
Linux Mint のネイティブメニューに直接登録する。
sudo nano ~/.local/share/applications/rlogin.desktop
 
以下の内容を貼りつける。
[Desktop Entry]
Name=RLogin (Wine)
Comment=SSH/Telnet Client via Wine
Exec=wine "C:\\Program Files\\RLogin\\RLogin.exe"
Type=Application
StartupNotify=true
Icon=wine
Categories=Wine;TerminalEmulator;
 
実行権限を付与する。
sudo chmod +x ~/.local/share/applications/rlogin.desktop
 
メニューへの登録
 
メニューに反映するコマンド(必須ではない)。
xdg-desktop-menu forceupdate
 
Linux Mint のメニューに「RLogin (Wine)」が登録される。
Linux Mint のメニューに「RLogin (Wine)」が登録される
 
メニューからの起動が可能になる。
メニューからの起動が可能になる
 
 
④.Rlogin を Windows用SSHクライアント として使用
 
Server Select 画面の「新規」をクリックして、接続先サーバーを登録。
Server Select 画面の「新規」をクリックして、接続先サーバーを登録
 
必要項目を入力し、公開鍵の設定に進むと・・・。
必要項目を入力し、公開鍵の設定に進むと・・・
 
Wine の「スタートメニュー」が起動するので、Linux Mint の 「home」フォルダーから公開鍵のパスを辿り設定。
Wine の「スタートメニュー」が起動するので、Linux Mint の 「home」フォルダーから公開鍵のパスを辿り設定
 
接続先サーバーの登録が完了。
接続先サーバーの登録が完了
 
登録したサーバーへの接続。
登録したサーバーへの接続
 
 
 
3. Memogami.exe 単体で動かすタイプの 32bit アプリの配置
 
 
①.標準の Wine 環境への配置
 
32bit アプリなので「Program Files (x86)」の中に Memogami を作って、その中にコピーする。
 
✅ mkdir -p ~/.wine/drive_c/'Program Files (x86)'/Memogami
 
「Program Files (x86)」の中に Memogami を作る
 
✅ cp -r ~/ダウンロード/memogami322 ~/.wine/drive_c/'Program Files (x86)'/Memogami/
 
上記のようにコマンドを実行したところ、
/Memogami/ ディレクトリ配下に memogami322 ディレクトリが作成されてしまうことに。
 
/Memogami/ ディレクトリ配下に memogami322 ディレクトリが作成されてしまうことに
 
修正版:
cp -r ~/ダウンロード/memogami322/* ~/.wine/drive_c/'Program Files (x86)'/Memogami/
 
修正版
 
実行は:
✅ wine "C:\\Program Files (x86)\\RLogin\\Memogami.exe"
 
実行
 
Memogami アプリが立ち上がる。
Memogami アプリが立ち上がる
 
 
②.メニューへの登録
 
Linux Mint ネイティブのメニューに直接登録する。
sudo nano ~/.local/share/applications/memogami.desktop
 
以下の内容を貼るつける。
[Desktop Entry]
Name=Memogami (Wine)
Comment=SSH/Telnet Client via Wine
Exec=wine "C:\\Program Files (x86)\\Memogami\\Memogami.exe"
Type=Application
StartupNotify=true
Icon=wine
Categories=Wine;TerminalEmulator;
 
権限を付与。
sudo chmod +x ~/.local/share/applications/memogami.desktop
 
メニューへの登録
 
メニュー [Desktop Entry] の登録場所。
メニュー [Desktop Entry] の登録場所
 
Linux Mint のネイティブメニューに「Memogami (Wine)」が登録される。
Linux Mint のネイティブメニューに登録される
 
メニューからの起動。
Memogami アプリが立ち上がる
 
 
 
4. Setup.exe でインストールするタイプのアプリ
 
📌 HYPER_SBI_Setup.exe インストーラでインストールするタイプの 32bit アプリを導入。
 
端末から、wine start /unix <Linux側のパス> で Setup.exe を起動する。
✅ wine start /unix "$HOME/ダウンロード/HYPER_SBI_Setup.exe"
 
端末から、wine start /unix <Linux側のパス> で Setup.exe を起動する
 
インストールが始まる。
インストールが始まる
 
インストール
 
インストールが完了する。
インストールが完了する
 
HYPER_SBIの起動にチェックを入れたので、HYPER_SBIが立ち上がる。
HYPER_SBIの起動にチェックを入れたので、HYPER_SBIが立ち上がる
 
HYPER_SBIがインストールされた場所。
~/.wine/drive_c/'Program Files (x86)'/SBI SECURITIES/HyperSbi
HYPER_SBIがインストールされた場所
 
Linux Mint のネイティブメニューに、自動的に登録されている。
Linux Mint ネイティブのメニューに、自動的に登録されている
 
メニューからの起動も、問題なし。
メニューからの起動も、問題なし
 
デスクトップにもアイコンが作成されている。
デスクトップにもアイコンが作成されている
 
Linux Mint のネイティブメニューと、「Windows の スタートメニュー」の関係。
Linux Mint のネイティブメニューと、「Windows の スタートメニュー」の関係
 
 
 
5. Wine の「スタートメニュー」を起動する
 
Wine の「スタートメニュー」を起動するコマンド。
wine explorer
or
wine start explorer
 
Wine の「スタートメニュー」を起動する
 
Wine の「スタートメニュー」は、Windows Explorer を Wine 上で開いたときにだけ見えるメニューです。
Wine の「スタートメニュー」は、Windows Explorerを Wine 上で開いたときにだけ見えるメニューです
 

 

以上。
(2025.08.26)

 

 

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