Linux Mint Krita 画像のトリミング(切り取り)要領

Linux Mint (Cinnamon) 活用ノウハウ
ペイントソフト Krita の使い方 その-02
画像のトリミング(切り取り)要領
 
Krita でのトリミング(切り抜き)は、「範囲の作り方」と「切り取り方法」を組み合わせた数だけの方法があり、用途に応じて最適な組み合わせを選択すると操作が簡便になる。
 
「切り取り」を使用すると、背景を残して「多角形」で切り抜かれる
 
以下、「写真」をベースにしたトリミング(切り取り)方法とその特質を整理した。
 
 

 

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1. 画像のトリミング とは
 
🎯 画像の「切り取り」「切り抜き」「トリミング」の中で、「トリミング」が最も一般的で、写真の構図を整える意味合いで使われることが多い用語です。
 
🔹 トリミング::構図を調整する「余白のカット」。
🔹 切り抜き::被写体を「背景から分離する」。
🔹 切り取り::上記2つを含む、広範な意味で使われる言葉。
 
🔸Krita における「トリミング」と「切り取り」の違い
比較項目トリミング(画像を領域に切り取り)編集→切り取り
 目的不要な外周を削除して
画像サイズを縮める
選択部分を削除して移動・再利用
 操作対象キャンバス全体(またはレイヤー枠)選択範囲のピクセル内容
 結果キャンバス自体が小さくなるキャンバスサイズはそのまま、
切り取った部分は透明に
 使い道写真やイラストを
最終サイズに仕上げる
部分的な切り抜き・貼り付け・位置移動
 非破壊性Crop Tool も破壊的だが
 「Canvasモード」なら非破壊にできる
元レイヤーの該当部分を消す(破壊的)
 
 
 
2. 「画像を領域に切り取り」を使った切り取り
 
「画像を領域に切り取り」を使って範囲を作った場合、切り取りには【A】と【B】の2つの方法がある。
「画像を領域に切り取り」を使って範囲を作った場合の切り取りには、AとBの2つの方法がある
 
🟢 A. 「Enterキー」で確定=切り取る
🔵 B. 「編集(Edit)」タブ→「切り取り(Cut)」
他への貼り付けが不要であれば、「Enterキー」を使う【A】がもっとも簡便。
 
🔎 特徴:「画像を領域に切り取り」は、 Crop Tool と呼ばれ、
🔹 視覚的に範囲を合わせやすい。
🔹 背景やレイヤーに関係なく、キャンバス全体のサイズが変更できる。
 
サイドバーのツールボックスから、「画像を領域に切り取り」を選択する。
サイドバーのツールボックスから、「画像を領域に切り取り」を選択する
 
キャンバス上でドラッグして切り抜きたい範囲を指定すると、「クロップ枠」が表示され、背景が暗くなり切り抜きたい範囲が鮮明に表示される。
キャンバス上でドラッグして切り抜きたい範囲を指定すると、「クロップ枠」が表示され、背景が暗くなり切り抜きたい範囲が鮮明に表示される
 
途中、マウスホイールで画像の拡大・縮小が可能。
 
「クロップ枠」の端や角の□をドラッグして、切り抜きたい範囲を微調整できる。
 
※:この状態で、メニューバーの「画像」から「選択範囲にトリミング」は選択できない。
※:この状態で、メニューバーの「画像」から「選択範囲にトリミング」は選択できない
 
 
A. 切り取り範囲を「Enterキー」で確定する方法
 
Enterキーで範囲が確定され、切り取った画像のキャンバスが作られる。(キャンセルは Esc。)
Enterキーで範囲が確定出来、切り取った画像のキャンバスが作られる
 
※:この操作で、切り取った画像はクリップボードにコピーされない。
 
マウスで、キャンバスの拡大・縮小や移動が可能。
マウスで、キャンバスの拡大・縮小や移動が可能
 
メニューバーの「ファイル」タブを開き「名前を付けて保存」を選択する。
メニューバーの「ファイル」タブを開き「名前を付けて保存」を選択する
 
元の画像の拡張子で保存されるので、拡張子を変更する場合は「ファイルの種類」のプルダウンをクリックする。
元の画像の拡張子で保存されるので、拡張子を変更する場合は「ファイルの種類」のプルダウンをクリックする
 
サポートされている拡張子一覧が表示されるので、該当の拡張子を選択する。
サポートされている拡張子一覧が表示されるので、該当の拡張子を選択する
 
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする。
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする
 
切り取った画像が保存される。
切り取った画像が保存される
 
 
B. 切り取り範囲を「編集」→「切り取り」で行う方法
 
📌 ポイント:
切り取った画像を他に貼り付けたい場合は、メニューバーの「編集」にある「切り取り」を使用する。
 
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする
 
画像が切り取られる。
画像が切り取られる
 
切り取った画像がクリップボードにコピーされるので、他に貼り付けることが出来る。
(ONLYOFFICEのパワポに貼り付けた例。)
切り取った画像がクリップボードにコピーされるので、他に貼り付けることが出来る
 
再度、メニューバーの「編集」を選び「貼り付け」をクリックする。
再度、メニューバーの「編集」を選び「貼り付け」をクリックする
 
切り取った画像のキャンバスが作られる。
切り取った画像のキャンバスが作られる
 
マウスで、拡大や移動が出来る。
マウスで、拡大や移動が出来る
 
メニューバーの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択する。
メニューバーの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択する
 
切り取った画像に名前を付けて保存する。
切り取った画像に名前を付けて保存する
 
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする。
(警告の内容については、後述しています。)
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする
 
切り取った画像が保存される。
切り取った画像が保存される
 
 
 
3. 「矩形選択ツール」を使った切り取り
 
「矩形選択ツール」を使って範囲を作る場合も、切り取りには【A】と【B】の2つの方法がある。
「矩形選択ツール」を使って範囲を作る場合も、切り取りにはAとBの2つの方法がある
 
🟢 A. 「画像(Image)」タブ→「選択範囲にトリミング(Trim to Selection)」
🔵 B. 「編集(Edit)」タブ→「切り取り(Cut)」
他への貼り付けが不要であれば、「選択範囲にトリミング」の【A】を使うのが最も簡便。
 
サイドバーのツールボックスから、「矩形選択ツール」をクリックする。
「矩形選択ツール」をクリックする
 
アイコンが範囲指定に変わるので、マウスを使って切り取る範囲を設定する。
アイコンが範囲指定に変わるので、マウスを使って切り取る範囲を設定する
 
 
A. 「画像」タブ→「選択範囲にトリミング」で切り取る方法
 
🔎 特徴:背景やレイヤーに関係なく、キャンバス全体のサイズを変更。
 
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックする。
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックする
 
キャンバスが選択範囲に合わせて切り抜かれる。
キャンバスが選択範囲に合わせて切り抜かれる
 
※:この操作では、切り取った画像はクリップボードにコピーされない。
 
メニューバーの「ファイル」タブを開き「名前を付けて保存」を選択する。
メニューバーの「ファイル」タブを開き「名前を付けて保存」を選択する
 
名前を付けて、切り取った画像を保存する。
名前を付けて、切り取った画像を保存する
 
切り取った画像が保存される。
切り取った画像が保存される
 
 
B. 切り取り範囲を「編集」→「切り取り」で行う方法
 
📌 ポイント:
切り取った画像を他に貼り付けたい場合は、メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
 
🔎 特徴:背景は消えず、キャンバスを範囲に合わせて切り取ることができる。
 
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする
 
画像が切り取られる。
画像が切り取られる
 
👍なぜか、元の画像サイズが「5984 x 3366」の場合、切り取った画像がクリップボードにコピーされない。 → 画像サイズを「3072 x 1728」に変更するとOKになる。
 
この操作では、切り取った画像がクリップボードにコピーされるので、他に貼り付けることが出来る。(ONLYOFFICEのパワポに貼り付けた例。)
この操作で、切り取った画像がクリップボードにコピーされるので、他に貼り付けることが出来る。
(ONLYOFFICEのパワポに貼り付けた例。)
 
再度、メニューバーの「編集」を選び「新しい画像に貼り付け」をクリックする。
再度、メニューバーの「編集」を選び「新しい画像に貼り付け」をクリックする
 
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする。
「色プロファイル」選択画面が表示される
 
新しいタブに、切り取った画像のキャンバスが作成される。
新しいタブに、切り取った画像のキャンバスが作成される
 
メニューバーの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択する。
メニューバーの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択する
 
「ファイルの種類」が【Krita ドキュメント】でも保存することが出来る。
「ファイルの種類」が【Krita ドキュメント】でも保存することが出来る
 
切り取った画像に名前を付けて保存する。
切り取った画像に名前を付けて保存する
 
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする。
該当拡張子の保存時オプションが表示されるので、「OK」をクリックする
 
切り取った画像が保存される。
切り取った画像が保存される
 
 
 
4. その他の「選択ツール」で範囲を作った切り取り
 
その他の「選択ツール」で範囲を作る場合にも、切り取りには【A】と【B】の2つの方法があるが・・・。
その他の「選択ツール」で範囲を作る場合にも、切り取りにはAとBの2つの方法があるが・・・
 
📌 【A】の「選択範囲にトリミング」を使うと、選択した範囲の形状ではなく方形で切り抜かれるため、「編集」→「切り取り」の【B】を使うべし
 
 
①.楕円選択ツールでのトリミング
 
サイドバーのツールボックスから、「楕円選択ツール」を選択する。
サイドバーのツールボックスから、「楕円選択ツール」を選択する
 
アイコンが範囲指定に変わるので、マウスを使って切り取る範囲を設定する。
アイコンが範囲指定に変わるので、マウスを使って切り取る範囲を設定する
 
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックする。
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックする
 
キャンバスが選択範囲に合わせて切り抜かれるが、楕円ではなく楕円を内接した「方形」で切り抜かれる。
キャンバスが選択範囲に合わせて切り抜かれるが、楕円ではなく方形で切り抜かれる
 
作業を戻し、メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
作業を戻し、メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする
 
「切り取り」であれば、背景を残したまま「楕円」で切り抜かれる。
「切り取り」であれば、背景を残したまま「楕円」で切り抜かれる
 
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする
 
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする。
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする
 
「楕円」で切り取った画像のドキュメントが、新しいタブに作成される。
「楕円」で切り取った画像のドキュメントが、新しいタブに作成される
 
 
②.多角形選択ツールでのトリミング
 
サイドバーのツールボックスから、「多角形選択ツール」を選択する。
サイドバーのツールボックスから、「多角形選択ツール」を選択する
 
切り取る範囲を「直線」で囲みながら設定を行う。多角形に繋がると、範囲が確定される。
切り取る範囲を「直線」で囲みながら設定を行う。多角形に繋がると、範囲が確定される。
 
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックすると・・・。
メニューバーの「画像」タブを開き「選択範囲にトリミング」をクリックすると・・・
 
多角形ではなく、設定範囲を含んだ方形で切り抜かれる。
多角形ではなく、設定範囲を含んだ方形で切り抜かれる
 
画像を保存してみるも、多角形ではなく「方形」になっている。
画像を保存してみるも、多角形ではなく「方形」になっている
 
作業を戻し、メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
作業を戻し、メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする
 
「切り取り」を使用すると、背景を残して「多角形」で切り抜かれる。
「切り取り」を使用すると、背景を残して「多角形」で切り抜かれる
 
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする
 
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする。
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする
 
「多角形」で切り取った画像のドキュメントが、新しいタブに作成される。
「多角形」で切り取った画像のドキュメントが、新しいタブに作成される
 
保存された画像も多角形になっている。
保存された画像も多角形になっている
 
 
③.連続領域選択ツールでのトリミング
 
サイドバーのツールボックスから、「連続領域選択ツール」を選択する。
サイドバーのツールボックスから、「連続領域選択ツール」を選択する
 
対象範囲をマウスでクリックしながら範囲を設定してゆく。「Shift」キーを押しながらクリックしてゆくと、連続した範囲が設定できる。
「Shift」キーを押しながらクリックしてゆくと、連続した範囲が設定できる
 
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「切り取り」をクリックする
 
「連続領域」が切り抜かれる。
「連続領域」が切り抜かれる
 
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする。
メニューバーの「編集」から「新しい画像に貼り付け」をクリックする
 
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする。
「色プロファイル」選択画面が表示されるので、「ウェブ画像として」にチェックを入れ、「OK」をクリックする
 
新しいタブに、「連続領域で切り取った画像のドキュメントが作成される。
新しいタブに、「連続領域で切り取った画像のドキュメントが作成される
 
 
 
5. 保存時に表示される警告メッセージの意味
 
保存時に表示される警告メッセージ。
保存時に表示される警告メッセージ
 
👉 jpegの場合のメッセージ:
JPEG 画像 として保存する場合この画像の情報の一部が失われます。
⚡ 理由:
この画像には Exif メタデータといくつかのレイヤーが含まれています。最初のレイヤーのメタデータのみ保存されます。
画像には、複数のレイヤー、マスク、またはアクティブな選択があります。統合された画像のみが保存されます。
 
👉 pngの場合のメッセージ:
PNG 画像として保存する場合この画像の情報の一部が失われます。
⚡ 理由:
この画像には Exif メタデータといくつかのレイヤーが含まれています。最初のレイヤーのメタデータのみ保存されます。
画像には、複数のレイヤー、マスク、またはアクティブな選択があります。統合された画像のみが保存されます。
この画像には Exif メタデータが含まれています。そのメタデータは保存されません。
 
🎯 メッセージの意味
 
✅ 「この画像には Exif メタデータといくつかのレイヤーが含まれています。最初のレイヤーのメタデータのみ保存されます。」
 
🔹 意味:カメラ写真などに入っていた Exif 情報(撮影日時、カメラ設定、GPS 位置情報など)が画像に含まれているが、Krita から PNG や JPEG に保存するときは「1枚目のレイヤーに付いている情報だけ」が残り、それ以外は破棄される。
 
⚡ 理由:Krita は複数レイヤーごとの EXIF を保持する仕組みを持っていないため。
 
✅ 「画像には、複数のレイヤー、マスク、またはアクティブな選択があります。統合された画像のみが保存されます。」
 
🔹 意味:PNG も JPEG も「レイヤー付きファイル形式」ではないため、
 • 複数レイヤー → すべて統合(フラット化)される
 • マスク → 適用された状態で画像に焼き込まれる
 • 選択範囲 → 無効化され、統合画像だけが保存される
 
⚡ 結果:保存後は「レイヤー単位での編集」や「マスクの再編集」はできなくなる。
 
✅ 「この画像には Exif メタデータが含まれています。そのメタデータは保存されません。」
 
🔹 意味:PNG/JPEG の保存処理では Exif 情報を完全には保持できないため、削除される。
 
📌 注意点:写真整理などで「撮影日時・カメラ情報を残したい」場合は Krita で保存し直さず、Exif を維持できるツール(例:GIMP、ImageMagick、exiftool など)で処理する必要がある。
 
 
「Krita」は、MSペイントとは比較にならない高機能のグラフィック編集ソフトで、レイヤーの切り取りにも対応している。
 

 

以上。
(2025.10.05)

 

 

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