Linux Mint ファイアウォール GUFW の詳細 設定要領

Linux Mint を徹底的に使いこなす
Stage 2-2 セキュリティと保護
ファイアウォール GUFW の詳細 設定要領
 
Windows から Linux Mint に乗り換えて、最初に気になることの一つに「セキュリティ」がある。
Linux Mint には GUFW(ジーユーエフダブリュー) というファイアウォール設定ツールが最初から入っているが、初期状態では無効(オフ) になっている。
 
「ルール」タブを開く
 
以下、GUFW の考え方から Windows との違いや、SSH接続を可能にする設定要領までを詳しくまとめた。
 
 

 

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1. ファイアウォールとは
 
ファイアウォールは、ネットワーク経由でパソコンに入ってくる通信(受信)と、パソコンから出ていく通信(送信)を監視し、ルールに従って 通したり 止めたり する仕組みで、建物の「入退室ゲート」のようなものと考えると分かりやすい。
 
家庭のルーターにも簡易的な防御機能はあるが、カフェや駅の公衆 Wi-Fi ではルーターでの守りが無いため、ノートパソコンを持ち歩くなら、パソコン自身のファイアウォールを有効にしておくことが大切である。
 
 
 
2. GUFW について
 

 GUFW(Graphical Uncomplicated Firewall)は
 OS標準のファイアウォール管理ツールである UFW(Uncomplicated Firewall)を、マウス操作(GUI)で簡単に設定・管理するためのアプリケーションです。

 
🔹 UFW(Uncomplicated Firewall):Linux の中で実際に働くファイアウォール管理の仕組みで、もともとは黒い画面(ターミナル)でコマンドを使って操作する。
 
🔹 GUFW:UFW を マウスで操作できるようにした画面(GUI)ツールで、例えるなら「UFW のリモコン」と言える。GUFWにより、コマンドを覚えることなく、ボタンとプルダウンだけでファイアウォールの設定が可能になった。
 
 
 
3. Windows Defender ファイアウォールとの違い
 
項目Windows Defenderファイアウォール
Linux Mint(GUFW / UFW)
 初期状態有効
無効(自分で有効にする)
 切り替え単位ドメイン/プライベート/パブリックの各ネットワーク
ホーム/オフィス/パブリックの各プロファイル(手動で選択)
 ルールの基本単位プログラム(アプリ)ごとの許可が中心
ポート番号・サービス ごとの許可が中心
 初回の確認ダイアログアプリが通信しようとすると「アクセスを許可しますか」と表示
表示されない(ルールがなければ受信は拒否されるだけ)
 基本方針受信は原則ブロック、送信は原則許可
同じ(受信は拒否、送信は許可)
 高度な設定「セキュリティが強化された Windows Defender ファイアウォール」で細かく設定
GUFW の「詳細設定」ルール、またはコマンドで設定
 
 
押さえておきたい 3 つのポイント
 
① 最初はオフになっている。
Windows では何もしなくても守られているが、Linux Mint では自分でスイッチを入れる必要がある。
 
② 「許可しますか?」と聞いてくれない。
Windows ではアプリが初めて通信しようとするとポップアップが出るが、GUFW では出ない。受信を許可したいサービスがあるときだけ、自分でルールを追加するというスタイルになっている。
 
③ アプリ単位ではなくポート単位が基本。
Windows は「このプログラムを許可」という考え方が中心だが、UFW は「22 番ポート(SSH)を許可」「ファイル共有を許可」のように、通信の入り口(ポート)やサービスを指定する方式になっている。
 
✅ GUFW の初期設定値。
 • ファイアウォールを 有効 にする
 • 受信:拒否(Deny)
 • 送信:許可(Allow)
 
これが GUFW の ”初期設定値” で、ブラウザなどの「自分から外へ出ていく通信」は送信許可により問題なく使え、外から勝手に入ってくる通信は拒否される。
 
普通にウェブ閲覧、メール、動画視聴、Office 作業をする使い方なら、スイッチをオンにするだけで基本的な守りが完成する。
 
 
 
4. GUFW の起動と設定手順
 
手順 1:GUFW の起動:
 • 方法-1:画面左下の メニュー をクリックし、「設定」→「ファイアウォールの設定ツール」を選択する。
画面左下の メニュー をクリックし、「設定」→「ファイアウォールの設定ツール」を選択する
 
 • 方法-2:画面左下の メニュー から、「システムの設定」をクリックし「ファイアウォール」を選択する。
画面左下の メニュー から、「システムの設定」をクリックし「ファイアウォール」を選択する
 
 • 管理者パスワード(ログインに使うパスワード)が求められたら入力。
 
手順 2:ステータスをオンにする:
 • 画面の「Status」のスイッチをクリックして オン する。
画面の「Status」のスイッチをクリックして オン する
 
これだけでファイアウォールが有効になり、次回起動時も有効な状態が保たれる。
 
手順 3:プロファイルを選ぶ:
プロファイルを選ぶ
プロファイルは、利用する場所に応じて切り替えられる設定のセットです。
 • 自宅:自宅など信頼できるネットワーク。
 • 会社:職場のネットワーク。
 • パブリック:カフェ・空港・ホテルなどの公共ネットワーク。
 
まずは 自宅 に設定して置き、持ち出して公衆 Wi-Fi を使うときに、より厳しい設定にしたい場合は「パブリック」の利用を検討する。
 
デフォルトの Gufw プロファイル。
プロファイルIncomingOutgoing
自宅DenyAllow
会社DenyAllow
パブリックRejectAllow
Deny と Reject の違い
 • Deny(デナイ:破棄 / ドロップ):送信元からのパケットを黙って捨てる(無視する)。相手には何も返答しない。
 • Reject(リジェクト:拒絶):パケットを破棄すると同時に、送信元に対して「アクセスを拒否した」というエラー通知(ICMPの到達不能メッセージや、TCPの場合は Connection Refused など)を送り返す。
 
手順 4:受信・送信の設定を確認する:
 • 「Incoming」が「Deny」、「Outgoing」が「Allow」になっていることを確認する。
通常は変更不要。
 
「ヘルプ」タブをクリックすると、バージョンが表示される。
「ヘルプ」タブをクリックすると、バージョンが表示される
 
 
 
5. ルールの追加要領
 
次のようなケースで、外部からの接続を受け入れたい場合には「ルールを追加」する。
 • 自宅の別のパソコンから SSH で接続したい。
 • Windows パソコンとファイルを共有したい(Samba)。
 • ゲームサーバーや Web サーバーを自分で立てたい。
 
✅ 追加手順
 
①. 「ルール」タブを開く。
「ルール」タブを開く
 
②. 左下の + ボタンをクリックする。
左下の + ボタンをクリックする
 
③. 3 つのタブからルールの追加方法を選ぶ。
🔹 サービス:「SSH」「Samba」などの名前から選ぶ(初心者にはこれが一番簡単)
サービス:「SSH」「Samba」などの名前から選ぶ(初心者にはこれが一番簡単)
 
🔹 簡易:ポート番号と通信の種類(TCP / UDP)を指定
簡易:ポート番号と通信の種類(TCP / UDP)を指定
 
🔹 詳細:接続元の IP アドレスなども指定
詳細:接続元の IP アドレスなども指定
 
④. 「ポリシー」の選び方。
「ポリシー」の選び方
 
ポリシーの違い。
 • 許可(Allow):通信を通す
 • 拒否(Deny):通信を黙って捨てる(相手には何も返さない)
 • 却下(Reject):通信を拒否し、相手に「拒否した」と知らせる
 • 制限(Limit):許可するが、短時間に何度も接続を試みる相手を一時的に制限する(SSH など、総当たり攻撃対策に有効)
 
⑤. 追加 ボタンで確定し、登録される。
 
 
「サービス」タブでのルールの追加事例
 
「サービス」タブでのルールの追加事例:
 • カテゴリー:Network
 • サブカテゴリー:Services
 • Application:SSH
を選択してルールを「追加」。
 
「サービス」タブでのルールの追加事例
 
「サービス」タブでのルールの追加事例
 
➡️ この設定で作成される【ファイアウオール】は、
 • ポリシー(許可/拒否): Allow (許可)
  通信を許可するルールが作成される。
 • 方向: In (受信)
  外部(または別端末)からLinux Mintへ入ってくる通信が対象になる。
 • 対象プロトコルとポート:
  「SSH」というプリセットを選択しているため、内部的には TCP プロトコルの 22 番ポート が指定される。
 • 接続元の制限(IPアドレス):
  この「サービス」タブには送信元IPアドレスを絞り込む項目がないため、「ネットワーク上のすべての場所(すべてのIPアドレス)からの22番ポートへのアクセスを許可する」 という条件になる。
 
⚠️ 注意点:
この設定のままだと、ローカルネットワーク内だけでなく、もしマシンがインターネットに直接接続されている場合は外部からのSSHスキャンやアクセスも許可してしまう状態になる。
 
🔔 実用に耐える設定は、次章に記載。
 
 
 
6. SSH接続を可能にする設定事例
 
Linux Mint のPCに、Windows PCから SSH接続を可能にした「ルールの追加」事例。
 
➡️ 1. SSHサーバー(OpenSSH)のインストールと起動
 
Linux Mint のPCに、SSH接続を行うには「SSH」サービスが動いている必要がある。このために、SSH通信を行うためのソフトウェア「OpenSSH」をインストールする。
 
「ソフトウェアマネージャー」を開き「openssh-server」で検索すると、【openssh-server】が表示されるので、これを選択する。
「ソフトウェアマネージャー」を開き「openssh-server」で検索すると、【openssh-server】が表示されるので、これを選択する
 
「インストール」をクリックする。
「インストール」をクリックする
 
「続行」をクリックする。
「続行」をクリックする
 
「インストール」が完了する。
 
🔸 サービスの状態を確認する。
 sudo systemctl status ssh
 
🔸 現在サービスが動いているか確認する。
 systemctl is-active ssh
 
🔸 自動起動が有効になっているか確認する。
 systemctl is-enabled ssh
 
サービスの状態を確認する
 
いずれも NG なので、・・・。
 
🔹SSHサービスを起動する。
 sudo systemctl start ssh
 
🔹再度、サービスの状態を確認する。
sudo systemctl status ssh
 
SSHサービスを起動する
 
いずれも OK なので、・・・。
 
🔹自動起動を有効化(OS起動時に自動で立ち上げる)する。
 sudo systemctl enable ssh
 
 
➡️ 2. Linux Mint の IPアドレスを固定化する
 
SSHでの接続先が容易に判るように、Linux Mint の IPアドレスを固定化する。
 
メニュー から、「システムの設定」をクリックし「ネットワーク」を選択する。
メニュー から、「システムの設定」をクリックし「ネットワーク」を選択する
 
接続されている方式のタブを開き、右下の「歯車」アイコンをクリックする。
接続されている方式のタブを開き、右下の「歯車」アイコンをクリックする
 
「IPv4」タブを開き「アドレス」を【手動】に設定し、各項目を入力して「適用」をクリックする。
「IPv4」タブを開き「アドレス」を【手動】に設定し、各項目を入力して「適用」をクリックする
 
再起動すると、IPアドレスが固定化される。
再起動すると、IPアドレスが固定化される
 
 
➡️ 3. GUFW で SSH接続 を設定する
 
設定目標:
 • Linux Mint側(SSHサーバー側)のIPアドレスは 192.168.11.123 で、
 • 接続してくるクライアント端末(操作元の端末)のIPアドレスをローカル端末に制限する。
 
GUFW で、「+ ルールの追加」ボタンを押す。
左下の + ボタンをクリックする
 
「詳細」タブを選択し、SSH接続の設定を行う。
詳細:接続元の IP アドレスなども指定
 
🧰 「詳細」タブで設定を行う理由:
 
🔹「サービス」タブ:
【Application】のリストから「SSH」を選択してルールが追加できるが、この画面には「接続元」IPアドレスを指定する項目がない。
 
 🔹「簡易」タブ:
【ポート】欄に、ポート番号 22(または ssh)を指定してルールを追加するが、こちらもサービスタブと同様に「接続元」IPを指定する欄がない。
 
🎉 結論:
「詳細」タブを使えば、特定のIPアドレスやローカル端末からのアクセスを制限するルール設定が出来る。
 
「詳細」タブでの設定内容:
「詳細」タブでの設定内容:
 
 • 名前: 任意の識別名(SSH-Client)
 • 挿入: 0
 • ポリシー: Allow (許可)
 • 方向: In (受信)
 • インターフェース: All Interfaces
 • ログ: ログ出力しない
 • プロトコル: TCP
 • From(接続元):
   • IP: 接続元のクライアント端末のIPアドレス(192.168.11.0/24)
   • ポート: 空欄(指定なし)
 • To(宛先・Linux Mint側):
   • IP: 192.168.11.123
   • ポート: 22
 
右下の 「追加(A)」 ボタンをクリックする。
 
📛 ポート: 22 を設定した時点で、次のメッセージが表示される。
You can write a port as '22' or a port range as '22:24'.
If you're editing a Preconfigured or Simple rule, Interface field must be 'all
Inrerfaces' and the IPs and From Port fields must be empty.
 
📌 この設定で、ポート「22」番が解放される設定が自動で生成されるわけではなく、別途、手動で開放するルールを追加する必要がある。
 
 
➡️ 4. GUFW で SSH のポート(22番)を開放する
 
ポートの開放だけならば、 「簡易」タブを使うのが一番容易。
 
GUFWの「+ ルールの追加」画面を開き、「簡易」タブを選択して以下のように設定する。
GUFWの「+ ルールの追加」画面を開き、「簡易」タブを選択して以下のように設定する
 
 • 名前: 任意の識別名(Open-Port-22)
 • ポリシー:Allow (許可)
 • 方向:In (受信)
 • プロトコル:TCP (SSHなどの一般的な通信はTCPのため選択。)
 • ポート:22 (開放したいポート番号を直接入力する)
 
右下の 「追加(A)」 ボタンをクリックします。
 
ポート(22番)が開放されると、「ルール」欄に条件式表示される。
ポート(22番)が開放されると、「ルール」欄にも条件式表示される
 
 
➡️ 5. Windows PC からの SSH接続
 
Windows PCで「Tera Term」を起動し、Linux Mint の「IPアドレス」と「ポート番号」を入力し、「OK」をクリックする。
Windows PCで「Tera Term」を起動し、Linux Mint の「IPアドレス」と「ポート番号」を入力し、「OK」をクリックする
 
「続行」をクリックする。
「続行」をクリックする
 
Linux Mint の「ユーザー名」と「パスワード」を入力し、「OK」をクリックする。
Linux Mint の「IPアドレス」と「ポート番号」を入力し、「OK」をクリックする
 
無事に SSH接続 が確立される。
無事に SSH接続 が確立される
 

 

以上。
(2026.10.25)

 

 

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