Linux Mint 「公開」フォルダーを Windows PC と共有する方法

低スペック PC 活用ノウハウ
Linux Mint (Cinnamon) の使い方 その-24
「公開」フォルダーの使い方
 
Linux Mint には、最初から「公開(Public)」という特別なフォルダーが用意されています。このフォルダーを使えば、同じネットワークにある Windows パソコンから簡単にファイルを共有することができます。
 
Linux Mint で「公開」フォルダーにファイルを書き込んでみる
 
以下、Linux Mint の「公開」フォルダーを Windows PC と共有した記録。
 
 

 

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1. 「公開」フォルダーを共有に設定する
 
Linux Mintのファイルマネージャー(Nemo)を開くと、「ホーム」ディレクトリーに 「公開」フォルダーがある。
Linux Mintのファイルマネージャー(Nemo)を開くと、「ホーム」ディレクトリーに 「公開」フォルダーがある
 
この 「公開」フォルダーを右クリックして、「プロパティ」を選択する。
この 「公開」フォルダーを右クリックして、「プロパティ」を選択する
 
「Samba のインストール、・・・」のメッセージが表示されるので、「インストール」をクリックする。
「Samba のインストール、・・・」のメッセージが表示されるので、「インストール」をクリックする
 
認証が求められるので、パスワードを入力し「認証」をクリックする。
認証が求められるので、パスワードを入力し「認証」をクリックする
 
「追加ソフトウェアのアップグレード」があるので、「続行」をクリックする。
「追加ソフトウェアのアップグレード」があるので、「続行」をクリックする
 
インストールが終わると「変更を確定するには、再起動してください」が表示される。
インストールが終わると「変更を確定するには、再起動してください」が表示される
 
「再起動」を行う。
「再起動」を行う
 
再度、 「公開」フォルダーを右クリックして「プロパティ」から「共有」タブを開き、「このフォルダーを共有する」にチェックを入れて「共有を作成」をクリックする。
再度、 「公開」フォルダーを右クリックして「プロパティ」から「共有」タブを開き、「このフォルダーを共有する」にチェックを入れて「共有を作成」をクリックする
 
共有名
ネットワーク上に表示される名称で、他のPCからはここで指定した名称でフォルダーが見える。
 
説明
ユーザー自身が設定するこのフォルダーへの追加情報。
 
このフォルダー内に他の人がファイルの作成・削除できるようにする:
この設定を有効にすると、他のユーザーはこのフォルダー内でファイルの作成や削除が行えるようになる。
 
ゲストアクセスを有効にし、ユーザーアカウントを持たない人からも操作できるようにする:
この設定を有効にすると、ユーザー名およびパスワードによるユーザー認証なしで、このフォルダーにアクセスできるようになる。
 
「共有を作成」をクリックすると、次の画面が表示されるので「自動的に権限を追加」をクリックする。
「共有を作成」をクリックすると、次の画面が表示されるので「自動的に権限を追加」をクリックする
 
「公開 の プロパティ」画面の「パーミッション」タブを開くと、設定結果が確認できる。
「公開 の プロパティ」画面の「パーミッション」タブを開くと、設定結果が確認できる
 
ファイルマネージャーのホームディレクトリーに戻ると、「公開」フォルダーに「共有マーク」が付加されている。
ファイルマネージャーのホームディレクトリーに戻ると、「公開」フォルダーに「共有マーク」が付加されている
 
 
 
2. Sambaの設定を行う
 
「公開」フォルダーの共有設定だけでは、 Windowsからのアクセスは出来ない。共有設定でインストールされた 「samba」 の設定が必要である。
 
以下の作業は、クイックランチャーから「端末」を起動し、コマンドを入力して実行します。
 
①.Sambaに「ユーザーアカウント」を登録する
 
ここで登録するアカウントとパスワードは、Windowsで「ネットワークドライブ」を設定する際の資格情報になる。
 
Sambaで、ユーザーアカウントの存在を確認するコマンドと登録コマンド。
sudo pdbedit -L
sudo pdbedit -a -u mint
 
Linux Mint のユーザー名と同じ名前で登録した。
Linux Mint のユーザー名と同じ名前で登録した
 
📌 pdbeditコマンドは、
Sambaサーバーのローカルユーザーデータベースを管理するためのツールで、ユーザーアカウントの追加、削除、変更、一覧表示、他のデータベースからのインポートなどを行うことができる。
 
ユーザーアカウントの登録が完了すると、ホームディレクトリやドメイン名等、登録内容が表示される。
 
②.Sambaの設定ファイル「smb.conf」の編集を行う
 
smb.conf を編集するコマンド。
sudo nano /etc/samba/smb.conf
 
🔹 以下の内容を追記して、文字コードを設定する。
unix charset = UTF-8
dos charset = CP932
 
🔹 アクセスを許可するネットワークを追記する。
修正前 ; interfaces = 127.0.0.0/8 eth0 を次の様に変更。
interfaces = 127.0.0.0/8 192.168.11.0/24

 
Sambaの設定ファイル「smb.conf」の編集を行う
 
📌 セミコロン (“:”)、シャープ (“#”) で始まる行や、空白のみの行は 無視される。
 
③.Sambaの設定をチェックする
 
設定をチェックするコマンド。
testparm
 
Sambaの設定をチェックする
 
④.Sambaを再起動する
 
Sambaの再起動と自動起動設定コマンド。
sudo systemctl restart smbd nmbd
sudo systemctl enable smbd nmbd
 
Sambaの再起動と自動起動設定
 
 
 
3. Windowsで ネットワークドライブを設定する
 
Windowsでエクスプローラーを開き、「PC」を開いた状態で「…」のミートボールメニューをクリックして、「ネットワークドライブの割り当て」を選択する。
Windowsでエクスプローラーを開き、「PC」を開いた状態で「…」のミートボールメニューをクリックして、「ネットワークドライブの割り当て」を選択する
 
フォルダー名に「\\コンピューター名\共有名」を入力し、「完了」をクリックする。
フォルダー名に「\\コンピューター名\共有名」を入力し、「完了」をクリックする
 
✅サイン時に再接続する
✅別の資格情報を使用して接続する
にチェックを入れておく。
 
「ネットワーク資格情報の入力」画面が表示されるので、Sambaに登録した「ユーザーアカウントとパスワード」を入力する。
Sambaに登録した「ユーザーアカウントとパスワード」を入力する
 
エクスプローラーに「ネットワークドライブ」が表示される。
エクスプローラーに「ネットワークドライブ」が表示される
 
 
 
4. 「公開」フォルダーの Windowsとの共有
 
①.Windows → Linux Mint
 
Windowsのネットワークドライブにファイルを書き込んでみる。
Windowsのネットワークドライブにファイルを書き込んでみる
 
Linux Mint で「公開」フォルダーを開く。
Linux Mint で「公開」フォルダーを開く
 
Windowsで書き込まれたファイルが表示される。
Windowsで書き込まれたファイルが表示される
 
②.Linux Mint → Windows
 
Linux Mint で「公開」フォルダーにファイルを書き込んでみる。
Linux Mint で「公開」フォルダーにファイルを書き込んでみる
 
Windowsのエクスプローラーにファイルが表示される。
Windowsのエクスプローラーにファイルが表示される
 
 
 
5. 「公開」フォルダーと「Warpinator」アプリの違い
 
主な違い。
機能公開フォルダーWarpinator
OSとの関係OS標準機能アプリケーション
設定の容易さ比較的複雑比較的簡単
用途特定のフォルダーを共有手軽なファイル送受信
ネットワーク環境ローカルネットワークローカルネットワーク
 
👉 「公開」フォルダーの特長
 
🔹 仕組み:
Linux Mint のホームディレクトリ (~/Public) に用意される特別なフォルダー。
 
🔹 メリット:
 • Windows / macOS / Linux など、SMBに対応するほぼすべてのOSからアクセス可能。
 • ネットワークドライブとして割り当てれば、エクスプローラーから普通のフォルダーのように扱える。
 • 永続的にフォルダー共有を行えるので、特定のフォルダーに常時アクセスしたい場合に便利。
 
👉 「Warpinator」の特長
 
🔹 仕組み:
Linux Mint チームが開発した、LAN内で簡単にファイルをやり取りできるアプリ。
 
🔹 メリット:
 • 設定不要でとても簡単(起動するだけで相手が見える)。
 • 転送が暗号化されているので、セキュリティ面で安心。
 • フォルダー全体ではなく、そのとき送りたいファイルを安全に渡すのに最適。
 • Android アプリ版もあるため、スマホとも直接やりとり可能。
 
 
🔑 結論:
日常的に、WindowsからLinux上のフォルダーにアクセスして使いたい(ネットワークドライブのように) → 「公開」フォルダー(Samba)を使用する。
 

 

以上。
(2025.08.16)

 

 

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