Linux Mint のファイル管理 ファイルやフォルダの扱い方

低スペック PC 活用ノウハウ
Linux Mint (Cinnamon) の使い方 その-4
ファイルやフォルダの扱い方
 
 Linux Mintに標準搭載されているファイルマネージャー「Nemo(ネモ)」を使えば、Windowsのエクスプローラーと同じように、GUIでファイルやフォルダを扱うことが出来るため、日常的なファイル管理に不便をきたすことはない。
 しかし、Linux のファイルには拡張子がなく、ファイルの種類はファイルシステムやファイルの中身で決定されるため、効率的な作業や高度な操作を求める場合にはターミナルによるコマンド操作が必要となる。
 
例えば、左ウィンドウに元のフォルダを、右ウィンドウに移動先のフォルダを表示すれば、ファイルをコピーしたり、移動が容易にできる便利な機能である
スプリットビュー(2画面表示)機能。
 
以下、GUIによるァイル管理の基本操作についてまとめた。
 
 

 

スポンサー リンク

 

 
 
 
 
 
1. Linux Mint におけるファイル管理
 
WindowsとLinuxでは、ファイルやディレクトリを操作するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によるファイル管理ツールに、異なる呼称が使われています。
 
Windowsでは統一された名称「ファイルエクスプローラー」が使われるのに対し、Linuxでは「ファイルマネージャー」という一般名詞を基に、各デスクトップ環境で異なる具体的名称が付けられています。
 
Linux Mint のファイルマネージャーは「Nemo(ネモ)」:
Linux Mint Cinnamonには「Nemo(ネモ)」と呼ばれるファイルマネージャーが標準で搭載されており、Windowsの「エクスプローラー」に似た役割を果たします。
 
 

 ファイルとは
 データを保存するための基本的な単位で、情報やデータ(テキスト、画像、音楽、プログラムなど)を格納します。
 ファイルは、実体として存在するデータの塊を指し、「名前」「中身」「属性(パーミッションやサイズなど)」がある。
 ファイルの例: photo.jpg(写真データが入っている)

 
 

 場所とは
 ファイルやディレクトリがどこにあるか、存在する「位置」を指します。
 絶対パスや相対パスとして表現されます。
 場所の例: /home/user/pictures/

 
 

 ファイルの拡張子について
 拡張子はファイル名の最後に付けられるもので、通常「.」(ピリオド)で区切られた文字列です。主にファイルの種類を示すために使われます。
 例: document.txt: テキストファイル
    script.sh: シェルスクリプト
    archive.tar.gz: 圧縮アーカイブファイル

 Windowsとの違い
 Windowsでは拡張子がファイルタイプを認識する主要な方法であり、関連付けられたプログラムが拡張子に基づいて自動的に選択されます。一方、Linuxでは拡張子は必須ではなく、用途に応じて自由な命名が出来ます。

 
 
■ファイルの種類:
Linux では、ファイルの種類は主にファイルシステムによって管理され、ls コマンドや file コマンドを使ってファイルの種類を確認します。
1. 通常のファイル (Regular File):
 テキストファイル、バイナリファイル、スクリプトなど。
2. ディレクトリ (Directory):
 他のファイルやディレクトリを格納するための特殊なファイル。
3. シンボリックリンク (Symbolic Link):
 別のファイルやディレクトリを指すポインタのようなもの。
4. デバイスファイル (Device File):
 ハードウェアデバイスを操作するための特殊なファイル。
5. パイプ (Pipe) と ソケット (Socket):
 プロセス間通信 (IPC) に使われるファイル。
 
 
 
2. GUIによる基本操作
 
「Nemo(ネモ)」の起動方法:
Linux Mint でファイルやフォルダーを管理するには、「クイックランチャー」か「お気に入り」にある【ファイル】アイコンをクリックする。
また、メニューの中央エリアにある「場所」を選択すれば、フォルダ一覧の中から該当のフォルダーを直接開くこともできる。
Linux Mint でファイルやフォルダーを管理するには、「クイックランチャー」か「お気に入り」にある【ファイル】アイコンをクリックする
 
Windowsのエクスプローラーと同じような「Nemo(ネモ)」画面が開く。
Windowsのエクスプローラーと同じような「Nemo(ネモ)」画面
 
「ファイル一覧ビュー」には Linux Mint にログインしているユーザーのホームディレクトリ(/home/mint)の内容が表示されており、「ナビゲーションバー」の「現在のフォルダの場所(パス)」が mint(=ユーザー名) になっている。
 
ツールバー
新しいフォルダの作成、並べ替え、表示方法の変更などのボタンが含まれます。
 
ナビゲーションバー
画面上部に配置され、現在のフォルダの場所(パス)が表示されます。パスをクリックして直接編集したり、クリック式で階層が移動できます。
 
サイドバー
左側に配置され、よく使うフォルダ(ホーム、デスクトップ、ダウンロードなど)や外部ドライブが表示されます。
 
ファイル一覧ビュー
フォルダ内のファイルやサブフォルダが表示されます。
 
 
①.ツールバーでの基本操作
 
「ファイル」タブで表示されるメニュー。
「ファイル」タブ表示されるメニュー
ファイル一覧ビューで、右クリックしても同じようなメニューが表示される。
 
新しいフォルダの作成。
新しいフォルダの作成
 
フォルダの削除。
フォルダの削除。
 
「完全に削除しますか?」の確認が求められる。
削除の確認が求められる
 
空のドキュメントを作成する。
空のドキュメントを作成する
 
作成される空のドキュメント。
作成される空のドキュメント
 
 

 空のドキュメントとは
 一般ユーザーが新しい文書やノートを作成する際に使うもので、特定のフォーマットや用途を意識したファイル。
 「空のテキストファイル」(.txt)は技術的には「空のファイル」ですが、GUI上では「新しいドキュメント」の一部として扱われます。

 
 
作成したドキュメントを「ゴミ箱に移動」する。
作成したドキュメントを「ゴミ箱に移動する」する
 
 

 「削除」と「ゴミ箱に移動」の違い
 削除:ファイルやフォルダが完全に削除される。ゴミ箱を経由しないため復元が出来ない。
 ゴミ箱に移動:ファイルやフォルダを「ゴミ箱」という一時保管場所に移動する。ゴミ箱からファイルやフォルダを簡単に復元できる。

 
 
「編集」タブで表示されるメニュー。
「編集」タブで表示されるメニュー
 
「表示」タブ表示されるメニューと「隠しファイルの表示」。
「表示」タブ表示されるメニューと「隠しファイルの表示」
 
 
②.ナビゲーションバーでの基本操作
 
「パスの入力方法を切り替える」をクリックすると、現在のフォルダの場所(パス)の表示を変更することが出来る。
「パスの入力方法を切り替える」をクリックすると、現在のフォルダの場所(パス)の表示を変更することが出来る
 
「検索」アイコンをクリックするすると検索窓が表示され、フォルダ内のファイルやサブフォルダが検索できる。
「検索」アイコンをクリックするすると検索窓が表示され、フォルダ内のファイルやサブフォルダが検索できる
 
 

 「内容を検索」とは
 指定されたディレクトリ内のファイルの中身を調べます。
 テキスト、コードファイル、ドキュメント(PDFなど)などの中から指定したキーワードを含むファイルを特定します。

 
 
右端にある3つのアイコンは表示モードの切り替えアイコンで、左から「アイコン表示(デフォルト)」、「リスト表示」、「コンパクト表示」となっている。
右端にある3つのアイコンは表示モードの切り替えアイコンで、
左から「アイコン表示(デフォルト)」、「リスト表示」、「コンパクト表示」となっている
 
リスト表示
 
コンパクト表示
 
 
③.サイドバーでの基本操作
 
「ファイルシステム」をクリックするすると、最上のディレクトリであるルートディレクトリ(/ (root))の内容が表示される。
「ファイルシステム」をクリックするすると、最上のディレクトリであるルートディレクトリ(/ (root))の内容が表示される。
 
「ゴミ箱」を右クリックで表示されるメニュー。
「ゴミ箱」を右クリックで表示されるメニュー
 
 
 
3. ゴミ箱をデスクトップに表示
 
メニューから、「設定」の中にある「システムの設定」をクリックする。
メニューから、「設定」の中にある「システムの設定」をクリックする
 
「設定」の中にある「デスクトップ」をクリックする。
「設定」の中にある「デスクトップ」をクリックする
 
「ごみ箱」のチェックボックスにチェックを入れると、デスクトップにゴミ箱をが表示される。
「ごみ箱」のチェックボックスにチェックを入れると、デスクトップにゴミ箱をが表示される
 
 
 
4. USBメモリーの使用
 
USBメモリーをパソコンに挿すと自動的にマウント(認識)され、USBメモリー内のファイルが表示される。サイドバーに「デバイス」が表示されるとともに、デスクトップにもアイコンが表示される。
USBメモリーをパソコンに挿すと自動的にマウント(認識)され、USBメモリー内のファイルが表示されるとともに、デスクトップにもアイコンが表示される
 
 
 
5. NASへの接続
 
サイドバーの「ネットワーク」をクリックするすると、LAN上に接続されている機器(プリンターやNAS)が自動で表示されるので、「NAS(ファイル共有)」をクリックする。
サイドバーの「ネットワーク」をクリックするすると、LAN上に接続されているプリンターやNASが自動で表示されるので、「NAS(ファイル共有)」をクリックする
 
NASの認証情報を入力し、「接続する」をクリックする。
NASの認証情報を入力し、「接続する」をクリックする
 
Linux Mint の認証パスワードを入力する。
Linux Mint の認証パスワードを入力する
 
NAS内のファイルが表示されるので、開きたいディレクトリーをクリックする。
NAS内のファイルが表示されるので、開きたいディレクトリーをクリックする
 
サイドバーの「ネットワーク」の中にNASがマウントされ、デスクトップにもアイコンが表示される。
サイドバーの「ネットワーク」の中にNASがマウントされ、デスクトップにもアイコンが表示される
 
 
 
6. スプリットビュー(F3キー)を使う
 
ファイルマネージャー「Nemo」では、F3キーを押すとスプリットビュー(2画面表示)になり、それぞれに異なるフォルダを表示することが出来る。
マネージャーNemoで、F3キーを押すとスプリットビュー(2画面表示)になり、それぞれに異なるフォルダを表示することが出来る
 
例えば、左ウィンドウに元のフォルダを、右ウィンドウに移動先のフォルダを表示すれば、ドラッグ&ドロップでファイルをコピーしたり移動が出来る、便利な機能である。
例えば、左ウィンドウに元のフォルダを、右ウィンドウに移動先のフォルダを表示すれば、ファイルをコピーしたり、移動が容易にできる便利な機能である
 
 
 
7.  「テンプレート」フォルダーと「公開」フォルダー
 
ファイル一覧ビューに表示される「テンプレート」フォルダーと「公開」フォルダーには、それぞれ異なる目的があります。
ファイル一覧ビューに表示される「テンプレート」フォルダーと「公開」フォルダーには、それぞれ異なる目的があります
 
「テンプレート」フォルダー:
ユーザーが新しいファイルを作成する際の「テンプレートファイル」を格納するためのフォルダーで、このフォルダーにファイルを置いておくと、Nemo の右クリックメニューの「新しい文書」オプションでそのテンプレートを利用できます。
 
「公開」フォルダー:
ネットワークを介して他のユーザーやデバイスとファイルを共有するための特別なフォルダーで、Linux Mint では、このフォルダーを利用してローカルネットワーク上で簡単にファイルを公開できます。
 

以上。
(2025.06.01)

 

 

スポンサー リンク

 

             

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.